ポピドンヨード(イソジン)でのうがいは効果があるのか?

医学

ポピドンヨード(イソジン)でのうがいはウイルスや風邪等の感染予防に効果があるのか?

結論から言うと
・水のみでのうがいには効果があり。しかしポピドンヨード(イソジン)を入れた水うがいには効果は認められない。
・検査前にポピドンヨード(イソジン)うがいすると一時的に陰性結果になってしまう(逆に後で重症化する可能性)

水うがいには効果あり

水のみでのうがいには効果があります。
しかしポピドンヨード(イソジン)を入れた水うがいには効果は認められません。(※1)

(※1)
American journal of preventive medicine 2005; 29:302-7.

甲状腺機能を障害する

甲状腺とは喉のところにある臓器です。

甲状腺ホルモンという大切なホルモンを分泌しています。
多いと身体機能(新陳代謝)の速度を早め、少ないと遅めます。脳や胃腸の活性化、体温の調節の役割があります。

多すぎるとバセドウ病といって、心拍数と血圧の上昇、眼球突出、不整脈、発汗、神経質や不安、睡眠障害、体重減少などの症状。
少ないと橋本病といって、心拍数と血圧の減少、低体温、行動減退、うつ、体重減少などの症状。

毎日のように過剰にポピドンヨード(イソジン)でうがいすると、ヨードにより甲状腺ホルモンの合成が抑制されて「甲状腺機能低下症」のリスクが高まります。(ウォルフ-チャイコフ効果)(※2)

(※2)
Sato K, et al. Internal Medicine 2007; 46:391-5.

検査前にポピドンヨード(イソジン)うがいすると一時的に陰性結果になってしまう

PCRなどの検査前にポピドンヨード(イソジン)うがいすると一時的に陰性結果になってしまいます。

例えば、喉のウイルスを検査しようとする場合に、先にポピドンヨード(イソジン)うがいすると、喉の表面についているウイルスは死にます。
なので検査上は、陰性になります。

しかし実際には体内に入り込んで感染していると、気付かれないまま進行するので逆に後で重症化する可能性があります。

飛沫感染が予測される「前」にうがいするのは効果がある可能性

一方で感染が予測される「前」にうがいするのは効果がある可能性があります。
喉の粘膜にポピドンヨード(イソジン)を塗ることでウイルスが予防できる可能性があります。
例えるなら、虫除けスプレーと同じです。
実際に歯科での研究結果はあります。(※3)

(※3)
Journal of Oral Microbiology 2020; 12:1794363.

まとめ

実際、予防的・定期的なポビドンヨード(イソジン)うがいが有効かどうかはまだ研究途中です。(※4)

(※4)
COVID-19: Povidone-Iodine Intranasal Prophylaxis in Front-line Healthcare Personnel and Inpatients (PIIPPI)

ただ
・水のみでのうがいには効果があり。しかしポピドンヨード(イソジン)を入れた水うがいには効果は認められない。
・検査前にポピドンヨード(イソジン)うがいすると一時的に陰性結果になってしまう(逆に後で重症化する可能性)

まではすでに分かっていることです。

次記事
ヨードの代替品は?~ポピドンヨード(イソジン)不足で困る手術現場~

タイトルとURLをコピーしました