新型コロナウイルスが蔓延し病院が一気に満床となりました。
その結果、救急車の搬送拒否が起こり、病院に入院することができなくなりました。

これを受けて日本政府は「軽症・中等症以下は自宅療養せよ」と言いました。

8月2日、政府は、急激な感染者増による医療崩壊を懸念し、入院制限を打ち出した。コロナ感染患者への対応を入院主体から自宅療養へシフトする重大な方針転換が、準備らしい準備もないまま唐突に決められたのである。

国民を見捨てた菅首相…「自宅療養」への方針転換で、これから起こる「大変な事態」2021年8月5日
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85906

軽く考えている人が多いかもしれませんが、軽症・中等症とは、すでに呼吸苦があって、すぐにでも重症化して人工呼吸器が必要になるような状態です。

一般のイメージ、医師の捉え方と大きな隔たり 高熱続いても「軽症」/中等症は肺炎や酸素投与【ここに注意!新型コロナ】

やるべきことは病院病床の拡大なのに、自宅療養を促すのは日本人に対する棄民の愚策そのもので、こんなことをすれば家族での感染を拡大させるだけでなく、救急車を呼ぶ以前にそのまま自宅で亡くなることになります。

入院できないということは、医師の処方が出来ない。つまり薬が手に入らないのです。

よって軽症の時点で自宅でできる限りの予防的な治療を行っていく必要があります。


パルスオキシメーター

基本的にはパルスオキシメーターで症状をみます。パルスオキシメーターは血管内の酸素量を測れます。
穴に指を入れると%で酸素量が表示されます。
人間の呼吸することで酸素を取り入れて血管を通じて各臓器に運んでいます。
酸素が薄くなればその臓器は栄養が足らなくなって弱くなります。

パルスオキシメーターの見方


新型コロナの自宅療養患者の状態把握するため、パルスオキシメーターの積極的な活用を—厚労省

血中酸素濃度をSpO2と言います。
このSpO2が96%以下であれば軽症を疑い、96%-93%であれば抗ウイルス薬を検討します。


酸素缶

よくマラソンランナーやスポーツマンが使っているやつです。これを口に当ててシューとやると肺に酸素が入り、血に酸素が巡ってSpO2の回復が期待できると言われています。

ただしコロナの呼吸苦での本当の危険時は、数時間程度の気休め程度です。ないよりましという感じです。私は常備しています。

本来であれば以下のようにCOPDの患者さんのように在宅酸素療法で圧縮酸素を継続的に流すものが必要になりますが、少し高いです。

業務用 高濃度酸素発生器 酸素濃縮器 濃度90% 8Lタイプ OC-8TS

どんな常備薬があるのか

これ以降で紹介することは、まだまだ比較実験でEBM(エビデンスレベル)が低いので、今後も賛否両論あるでしょう。

しかしすべて科学論文が提出されているものです。
大規模研究や比較実験もされているものもあります。


なので「お湯を飲めばいい」「イソジンうがいすればいい」「神様に祈ればいい」という変な民間療法にひっかかるより信憑性はあります。

「こういうものがあるのか」という参考程度にしてください。

日本では手に入りにくいもの、市販で売られているもの様々です。

結論から書くと、手頃ではナザール点鼻薬やロートアルガード点鼻薬鼻スプレーに配合されているクロルフェニラミンマレイン酸塩が、予防時点では殺ウイルス効果を示しています。

また軽症者向けの抗ウイルス薬ではコルヒチン、予防観点では点鼻薬Viralezeが先行している印象を受けます。


抗ウイルス薬(コロナ中等症者):イベルメクチン(寄生虫等治療薬)

大規模に効果が認められてきた経口薬。
コロナ中等症者向け。

北里大学病院で主に臨床試験がされています。

北里大学の大村智博士が発見した抗寄生虫病の特効薬イベルメクチンが、コロナウイルス感染症(COVID-19)に効果あり、との臨床試験が途上国を中心に約80件報告されている。

参考:イベルメクチンはコロナ治療に有効か無効か 世界的論争の決着に日本は率先して取り組め 2021/04/28 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/cknews/20210427-OYT8T50019/

副作用も少ないので注目されています。

イベルメクチンについては、大村智記念研究所が公表しているところによると、世界二十七か国で治験が行われているという。
 東京都医師会の尾崎会長は、本年二月九日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、新型コロナウイルス感染者の重症化を予防する狙いで、海外で重症化を防ぐ効果が示されている抗寄生虫薬「イベルメクチン」等の薬剤を緊急使用することを提言している。
 「イベルメクチン」は世界保健機関の「必須医薬品リスト」に含まれており、発展途上国でも入手しやすく、ほぼ四十年の使用、及び数十億回の投与において観察された副作用は軽度でまれであるとして、安全性も確認されている薬剤である。

イベルメクチンの承認に関する質問主意書 令和三年二月二十六日提出
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a204059.htm

日本の国会でも承認提出がされています。

https://www.unidru.com/products/scavista-12mg

抗ウイルス薬(コロナ軽症者):コルヒチン(痛風薬)

海外でも日本国内では最もしっかり研究が進んでいるであろう経口薬。
新型コロナウイルス軽症者向け。

プラセボ投与群に比べコルヒチン投与群は、主要評価項目である30日後の死亡または入院のリスクが21%抑制された。鼻咽頭ぬぐい液のPCR検査でCOVID-19と確定診断された患者4159例を対象とした解析では、主要評価項目で25%の有意なリスク減少を認めた。

参考:コルヒチンは軽症COVID-19の治療薬になるか? 2021/01/30
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202101/568873.html

ここではイベルメクチンよりもコルヒチンの方が良いのではという話も出ています。

痛風治療薬のコルヒチン。カナダ、アメリカなど6カ国が参加したCOLCORONA試験では、重症化リスクのある軽症患者4488例が対象。コルヒチン投与群は、30日後の死亡および入院リスクが、プラセボ群より21%抑制された

参考;軽症患者の治療薬はほかにも候補がある イベルメクチンに超期待する人が知らない真実 2021/03/12
https://toyokeizai.net/articles/-/416242?page=6

一方でコルヒチンは副作用や併用禁忌があるので注意深くする必要があります。

男性の場合、精子異常による配偶者へダウン症のリスク、肝臓や腎臓の薬やグレープフルーツなど柑橘物系の併用は注意禁止。

コルヒチン
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se39/se3941001.html

https://www.unidru.com/products/colgout-05?afid=hikaru1032&merchant_name=unidru&token=TrJUST4


点鼻薬:Xlea

キシリトールとグレープフルーツ種子抽出物を含む点鼻スプレーを手掛けている。この点鼻スプレーは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の鼻粘膜への接着をブロックする効果と死滅効果を持つ。

参考:新型コロナ対策で点鼻薬使用の指針策定をWHOに請願=米Xlear〔BW〕2021年01月29日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012900638

おそらく一番、無害で常用に向いています。
単なる柑橘物のスプレーなので自作する人もいるほどです。
一方で機序についてはまだ不明確な点が多いです。

Xlear, キシリトールサイナスケアスプレー22ml(0.75液量オンス)
https://jp.iherb.com/pr/xlear-natural-saline-nasal-spray-with-xylitol-fast-relief-0-75-fl-oz-22-ml/13454

グレープフルーツシードエキス入りのNutriBiotic, 鼻スプレー、29.5ml(1液量オンス)
https://jp.iherb.com/pr/nutribiotic-nasal-spray-1-fl-oz-29-5-ml/4219

点鼻薬:Viraleze

オーストラリアの Viraleze抗COVID鼻腔スプレーは、COVID-19を引き起こすウイルスSARS-CoV-2の感染力の強い英国変異株に対して有効であり、ウイルスの感染力を98%以上低下させる
SPL7013が非常に感染性の高いウイルスの米国株に対して抗ウイルス効果と殺ウイルス効果を示すこれまでのデータと一致しており、ウイルススパイクタンパク質における突然変異の影響を受けない作用機序を示唆

参考:Viralezeがスクリプス研究所の試験でCOVID英国変異株に対する高い有効性 2021/6/2
https://kyodonewsprwire.jp/release/202106025784

VIRALEZEはSPL7013が有効成分として機能します。
論文がメタ分析のレベルで大規模に行われているので、現状で科学的には一番信頼できる点鼻薬でしょう。
一方で目立ってきた分、販売承認や論文引用について批判にさらされることが多々出てきた点鼻薬です。

VIRALEZE Antiviral Nasal Spray 10ml
https://viraleze.co/product/viraleze-antiviral-nasal-spray/


点鼻薬:佐藤製薬ナザール、ロートアルガード

本研究はクロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する点鼻スプレーのSARS‐CoV‐2に対する強力な殺ウイルス効果を示した。

参考:In vitroでの新型コロナウイルスに対する鼻腔内送達クロルフェニラミンマレイン酸塩 化合物の殺ウイルス効果 (2020 Sep)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32963923/

ウイルスの一部(アデノウイルス5型、ポリオウイルス2型、インフルエンザウイルスA香港型、ムンプスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型)に対し不活化効果を示すが、炭疽菌、破傷風菌などの芽胞形成細菌に対する殺菌効果は期待できない。

参考:医療用医薬品 : ベンザルコニウム塩化物 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062570

私が調べた限り、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する点鼻スプレーは「ナザール」と「アルガード」です。

【第2類医薬品】ナザール「スプレー」ポンプ30ml
https://amzn.to/37q0BEf

成分・分量
クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・500mg
・・・アレルギーによる鼻づまり、鼻水を楽にします。
ベンザルコニウム塩化物・・・10mg
・・・殺菌作用により、細菌による鼻粘膜の炎症を抑えます。

【第2類医薬品】ロートアルガードST鼻炎スプレー 15mL
https://amzn.to/2VAa6yv

成分・分量
クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・0.25%
ベンゼトニウム塩化物・・・0.005%



ただし鼻炎薬なので日常的に常用するのはあまり推奨されず、気休め程度です。

お茶

これは伊藤園のお茶での研究で、試験管レベルの比較実験でしかありませんが、お茶を10秒ほど口に含ませると感染能力の低下効果が認められています。

茶カテキン類がウイルスのスパイクたんぱくに結合し、細胞への感染能力を低下させる効果などを確認しました。

マスクを外したら会話する前にまずお茶を含み飲みする(10秒間程度口腔内全体にお茶を行き渡らせてから飲む)、といった行動を多くの人がとれば、症状のない感染者から周りの人への感染が減らせるかもしれません。つまり、お互いに他人のためにお茶を飲むという、「公衆衛生的な」使い方は有効な可能性があります。

参考:【論文掲載】茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認(京都府立医科大学と伊藤園の共同研究)
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2021/20210615.html

伊藤園 RROボックス おーいお茶 濃い茶 2L


まとめ

ただ無理して一人で治療しようとせず、危ういと感じたらすぐに救急車を呼ぶことは大前提であることは忘れないでください。

かつてはビタミン剤や亜鉛なども効果的と言われていた時期がありましたが、あまり効果が認められなかったためにここでは省きました。

今後ここからワクチン以外に患者への負担が少ない経口薬や予防法が確立されることを願ってやみません。