水木しげるもネズミ男を作中に登場させてからゲゲゲの鬼太郎が人気出たと言っていましたが、本当に座敷わらしみたいなキャラなのだと感じます。
あそこまで完成されたトリックスターのキャラは他ではみません。
ねずみ男の場合、裏切りからの手のひら返しまでの新陳代謝が早すぎるのです。
裏切り者やサイコパスキャラは山ほどいますが、1話完結の自業自得で消化されるので単純に純粋無垢という印象を与えやすいです。
「下セカ」の鬼頭鼓修理(2015年:小学館)にトリックスター的なねずみ男と同じキャラクターの鱗片を見ることができましたが、堀江由衣が声優なのにキャラが腐りすぎててリアルにアンチが多すぎました。
カウンセリングをしていて自分の内的投影としてアニメやゲームのキャラを真似てくることはよくあります。
悩む=自己肯定感がなくなれば、アニメやゲームや漫画の非実在的なキャラクターを投影して保管するしかないからです。
共感のために知識を得ておかなければならないこともあります。
必須ではないですが、介入が容易になります。
例えば、他人のことをすぐ「ウスノロ」と罵倒する汚言症のクライエントがいました。
実は彼はドラゴンボールの「アルティメット悟飯」になっていたのです。
魔人ブウ戦での調子こいた悟飯。
ドラゴンボールを知らないと「あっアルティメット悟飯のマネしてる」と気づけないのです。
もし気付ければドラゴンボール(あるいはアニメやゲームや漫画)の世界観から介入して、どうしたかったかを客観的に聴くことができます。
ドラゴンボールの悟飯は実は特殊で「修行して強くなった」という経験が少ないです。
ナメック星で長老による潜在能力覚醒も、Zソードの老界王神様によるアルティメット化も「何もせず楽してパワーアップ」しています。
これが根拠がない自信=仮想的有能感となり、他者を根拠なく見下して調子こいて負けるのです。
昔の作品は修行や悩みを乗り超えて大成していくが、今は修行回やうつ回が退屈すぎて視聴者読者がついてきません。
リアルの嫌なことを思い出すからです。
物語一巡してレベル100カンストで異世界転生したキリト君やサイタマのような主人公の方が共感されます。