「問題」と「悩み」を切り分けること。
「問題」は客観的に社会化して抽象化することで共有共感。タテの物をヨコにして濃度を薄める。
「悩み」は問題の派生物でしかないので、観察操作可能な問題まで削り落として根幹を捕まえる。
医療でも。手術で問題を切り取って、派生の悩みは心理緩和ケア。
「悩み」を傾聴しながら皮むきすると「問題」という中核の種が出てきます。
過去へ退行させて原因を現実認識で上書き保存緩和。
未来へ抽象的に社会化させて問題共有することで「薄める」救済をしないとまた浮き上がってきます。
悩みは皮むきして問題抽出を。
抽出した問題は抽象度を上げて社会化を。
これをしないと解決されず、一生自己嫌悪するか、他人の悪口を言い続けるだけになります。
感情本能だけで整理されず、誰にも内容が共有も共感もされないからです。
「他人の悪口や批判はいけない」を「国や社会の悪くを言ってはいけない」と拡張して混同するのが大間違い。抑うつ病の元凶。
個人攻撃が良いという意味ではなく、生活の悩みや不満は「一般化」や「社会化」で変換して他者と共有して薄めなければ、改善されず泣き寝入りして内に溜め込むだけになるから
個人の「悩み」は、傾聴で皮むきしていくと核の「問題」が見つかります。
そこから発芽して樹形図のように侵食していることに気付けます。
だからこそ問題を抽象化・社会化させて、社会問題として共有し、相互援助できる仲間をリファーして固めることが、心理的安全と社会福祉につながるのです。
議論する際に必ず、問題を統合して抽象化・社会化させて共有する過程が必要になるのですが、
それが行われないと、ひたすら隣人の揚げ足取りをして悪口を言い続ける結果になります。
一つ一つの階層フォルダを独立して認識すると、上の階層フォルダに気付かずに矛盾が生じるのです。
中井久夫氏のように個人の内面から、その人を取り囲む環境まで拡張させて、社会化させていく視点はソーシャルワークで最も必要な視点だと思うのですが、恐ろしく医療者でそれができる人が少ないんです。
病気に薬出して、ハイ終わり治った、で患者を元の環境に戻してしまう。根治せず。
中井久夫先生が素晴らしいのは、病態関連図に社会環境問題のレイヤーも重ね合わせ、重層的に社会化させて図式化して表現しているところ。