知人の救急救命士の何人かから話を聞いたところによると、長期休み中の病院は暇という。
なぜ?と思った。
休みともなれば平日に病院へ行けない人が殺到しているイメージがあったからだ。
確かに休日の「外来」は親子連れやサラリーマンが多くなる。
しかしICUや救急車の受け入れは少なくなるという。
特に救急救命室は、お盆などの時期は意外に病院は患者さんが少ない。
理由として、お盆で家に息子や孫が帰ってくるので「病院なんか行っとれんわ」と「高齢者が気張るため」と分かった。
冷静に考えれば「病院を利用している人の大半は高齢者」である。
その高齢者が病院へ来るのが少なくなる時期は、高齢者以外の人が休みの時期なのだ。
高齢者が「気張る」というと「そんな無理せんでも…」と少し同情的になるが、
根底のところでは「寂しさ」があって「その話題を共有させるために病院へ行く」という心理的な構造があるように思われる。
しかし一方で救急車を使う高齢者の大半が「タクシー代わり」という実情もある。
いずれTPPに便乗してアメリカの製薬会社が日本の国民皆保険制度を潰すべく、救急車の無駄利用が槍玉に上がるだろう。
まずは救急車の有料化から保険加入者かどうかの確認を即行って、保険加入者でなければ救急車は出ない、低所得者であれば救急車は向かわない、という非情な体制になっていくと思われる。
そうならないように救急車は無駄に利用しないでほしい。
救急救命士も就職口の狭い職業である。
救急救命士は、救急車を受け入れる時点でどんな状態か聞いているので、血だらけでも心の準備ができるが、最初に見る救急隊員の人が一番ショックが大きいと思う。
救急救命士は都市部の消防署に勤めるのが王道とされているが、募集定員は多くても10人程度と少ない。
地方の消防署なら2~3人。
ただ気管チューブ気道確保、除細動、アレルギー自己注射、血糖測定とブドウ糖投与、静脈経路確保と点滴投与まで出来ることが拡大されて少し病院でも働き口ができた。