新型コ口ナウィルスが「お湯で治る」…これは本当に困惑しました。
内容として「普通の風邪の予防法」なのです。
しかし「コロナ完治」に結論づけるのが逆にタチ悪かったです。
本来であれば、医学根拠が得られるまで、コホート研究とランダム比較化検討で最低でも1万人の症例と5年以上はかかります。
少なくても最低、2020年から先5年以内の治る話はすべてウソと断言できるはずなのです。
「武漢ウイルスは耐熱性がなく、26~27度の温度で死ぬ。お湯をたくさん飲めば予防できる」-。
お湯で本当に感染を防げるのか。聖マリア病院(福岡県久留米市)の本田順一副院長(感染制御学)は「効果はない。26~27度で死滅するなんてあり得ない」と指摘。近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)は「出元の分からない情報を安易に信じるのは危険だ」と警鐘を鳴らす。
「お湯飲めば効果」感染対策デマ拡散 有識者「根拠ない」
https://www.gifu-np.co.jp/news/20200228/20200228-219238.html
もっと悪用できたはず
この拡散されたデマ文章、悪用しようと思えばもっと都合よく悪用できたはず。
それがなかったのは善意だったからでしょう。
しかし皮肉だが一周回ってパワーライティング力あると関心しました。
新型コ口ナウィルス、善意と送り主の信用でデマ拡散~「地域の顔役」「著名人」「医療関係者」が発信源に
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/1237502.html
なぜ文章が中国と日本の年配者で流行ったのか?
例のメールで「同級生の甥で、修士課程を卒業し、深セン病院で仕事をしている人」という出だしから、冷静に考えれば「もはや誰やねん」のはずです。
しかしこれが中国で信憑性を帯びて拡散されたのは、
政府より身近な「義」の関係(グアンシと呼ぶ)を重んじる国民性ゆえだと考えられます。
義とは何か
義とは、日本ではヤクザ映画などで「義兄弟」という言葉のように、裏切らない仲間のことを指します。
「義」は、国よりも政府よりも何よりも優先されます。
義のためであれば、義以外のものは裏切っても許されます。
義と国とどちらが大事かと言えば、義です。
だから中国では、国のことは信じなくても、身近な義の家族や先生を信じるという二面性の傾向があります。
日本人の本音と建前 vs 中国人の義関係~中国人はなぜ裏切るのか?の行動経済学~
「同級生の甥」と始まるので後に続く文章にも「義関係を裏切るのか」という良心を利用した脅しが効いているのです。
また修士課程で深センというと、修士まで頑張って勉強したという肩書きと、深センという中国のシリコンバレーの病院で新進気鋭で頑張る様子が想像されて応援したくなります。
これを権威性による「ハロー効果」と言います。
日本の年配層で特に拡散されたのも、昔ながらの家族情報を重んじる傾向ゆえでしょう。
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