自閉症・アスペルガーの方が「電車」好きの傾向があるのは定番中の定番です。
なぜ電車にそこまでハマり込むのでしょうか?
それは電車そのものが自閉症の行動そのものだからです。
規則と数字に執着する
「普遍的=変わらないもの」にこだわりを持ち、執着するのが自閉症・アスペルガーです。
・電車は時刻表の数字の通りに動く
・きっかり動き規則通りに動く
のです。
自閉症にとって電車の時刻表は、神様を見ているような神秘体験を感じるものです。
しかし残念ながらこの世は色即是空で「普遍的=変わらないもの」ものは存在しません。モノはすべて雲のように移り変わります。だからこそすぐ世界観が崩れてパニックになってしまうので問題なわけですが・・(※1)
先入観が変わらない
自閉症・アスペルガーの人は、「普遍的=変わらないもの」にこだわりを持ち、執着してしまうがゆえに「自分の最初に入った先入観」がほとんど変わりません。
先行入力インプット、先入観、第一印象・・ずっと過去のまま固定されて、未来の情報更新アップデートされにくいのです。
例えば、
Aさんが初対面で赤い服を着ていたら、赤い服はAさんと入力され、「青い服を着ているAさんはAさんではない」と認識されます。
8:00に会ったのがAさんだとしたら、翌日に9:00にAさんに会ったら「Aさんではない」と認識されます。
重度の人になると「青のスリッパが並んでいるのがトイレ」と先行入力されたせいで、トイレのスリッパが並んでいなかったり、色が違ったり、窓の光の射し込み方が違っているだけで、目の前にあっても「トイレはどこ?」と認識されずにパニックを起こしてしまいます。
その点、電車は時間の時刻表も、車両の形状も、色も、長年変わらないので、すごく安心できるのです。
平行線の線路の美しさ
電車の線路は2つの平行線を辿っています。
これも美しいのです。
決まった時間に、決まった線路を、決まった平行線の上を走る。
こんなに美しいことはありません。
電車は規則正さを表現してくれる神様のような存在です。
男の子の夢の塊
男の子は「大きくてかっこいいもの」に心奪われます。
父親像を投影するからです。
この思いと自閉症の規則的なものへの執着が合わさるのです。
女の子で自閉症はほとんどいません。
なので女の子で電車好きという子もほとんどいません。
なぜ撮り鉄は迷惑行為するのか?
よく鉄道の写真を撮影しようと、線路に入り込んだり、電柱に登ったり、木を切ったり、怒号を発したりする「撮り鉄」の迷惑行為が多々問題視されます。(※2)
鉄道オタクにも、撮り鉄、乗り鉄、車両鉄、音鉄などいろんな種類の方々がいますが、なぜか「撮り鉄」の問題行動が話題にされます。
彼らは「電車を撮りたい」のではなく、「同じ構図の写真」を撮りたいのです。
電車そのものではなく「自分の思う同じ構図の電車の写真」です。
典型型の自閉症アスペルガーの「強いこだわり」からくるものです。
このパターンの人は、決まって自室に「同じ構図の写真」が何百枚とあります。
なのでその構図を撮るために、環境の方を変えようと木を切ったり、電柱に登るなど危険行為をしてまで角度を合わせたりしてしまうわけです。
「神様」である電車が駅のホームに入ってきたら、自分の想像するのと「同じ構図」で写真を撮りたいのです。
ちなみに私も電車が大好きです。なので自閉症スペクトラム症の友人が多いです。
電車好きだから自閉症というわけではなく、自閉症ということを理解してくれる人だと話がしやすいと友人が教えてくれました。