岐阜わかもの会議(第2回)に参加して、最後の懇親会で「岐阜市の長良川鵜飼い」を見学しました。
鵜飼い(うかい)の歴史は古く、古事記・日本書紀(700年以前)から出てきます。
鵜という鳥の首を紐で締めて、かがり火に集まってくる鮎を鵜に捕まえさせます。
鵜の首が締まっているので鮎を飲み込めず、漁師(鵜匠)がそれを取るという伝統技術です。
天皇や皇族はもちろん、源頼朝・織田信長・徳川家康のような天下人にも重宝され、今でも皇居や神宮にこの鮎が献上されています。
岐阜県民でも10パーセントも本場の鵜飼いを見たことがありません。
他県ならばなおさら見る機会はないでしょう。
私はこの伝統技術が重宝されている理由が不明でした。
単に魚を捕まえているだけだからです。
今回、実際に鵜飼いを見学してみてその良さがよく分かりました。
買ったばかりの一眼レフカメラのCanon EOSを持って撮影してきました。
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昼間の長良川。
夜になると幻想的な雰囲気になります。
鵜飼観覧船に乗ります。
鵜飼船の中はこんな感じ。
対岸に移ります。
花火が何発か上がって開始。周囲のホテルも電気を消します。
向こうから鵜匠の船がやってきます。
最後に両岸に鵜飼観覧船が並び、中心を鵜匠の船が一斉に走ります。競艇みたいです。
これで終わりです。
だいたい1時間くらいです。
気分的には、「映画を見たあと」と同じような満たされた気分です。
つまらかった、退屈だった、という気分にはなりません。
今回初めて鵜飼いを体験してみて、鵜飼いの魅力とは今で言う「映画」、あるいは「舞台」と同じだと感じました。
大きくは「幻想的な美しさ」と「暗黒世界の不安」の2点です。
例えば、映画では会場を暗くして画面に視点を集中させます。
演劇などの舞台でも舞台を暗くしてスポットライトだけで舞台を照らします。
これと同じ効果が鵜飼いにあるのです。
暗闇でかがり火で鵜匠が鵜飼いをする姿はすでに幻想的です。
鵜匠自身は小さい船の上で、熱いプラス動くので必死だと思いますが、外から見てるとかがり火が川に映って幻想的なのです。
途中で私自身が気付いたのですが、
長良川で鵜飼観覧船が出たら「今自分がどこにいるのか全くわかりません」
この暗黒世界の不安感はハンパないです。
暗い川の上で、自分がどこにいるか分からないというのは、身近に「死」すら感じます。
昔、私は濁流する大きな川で溺れかけたことがありますが、その時の「死」を意識した孤独感は凄まじかったです。
この心境の中なら
「吊り橋効果」(恋人と吊橋に渡ると無意識に不安ゆえに相手のことを頼るので恋に落ちやすい)と、
「フロー(Flow)」(人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚、集中により時間間隔の歪みも起こることがある)
が同時に起こります。
この心理だと「すごい」としか言いようがないのです。
いくら天皇でも源頼朝でも織田信長でも徳川家康でも「すごい」と言うしかないです。
鵜飼いは図らずも、根本的に人間の恐怖と美徳の心理を利用した伝統技術として受け継がれてきたのだと感じました。