ネット上で人気になって流行っている状態のことを「祭り」「バズり」と言います。

「祭り」と「バズり」の違いとは何でしょうか?


「祭り」と「バズり」の違い

「祭り」も「バズり」とほとんど同じ意味で使われています。

「祭り」は話題やコンテンツや人物と言った、何か信仰の中心(御神体)があって、その周りで盛り上がる様子を表現しています。
内容はネガティブやポジティブ問わず「祭り」と表現されます。

しかしネガティブな意味で祭りを表現する場合は「炎上」と呼ばれます。
インターネットスラングとして匿名掲示板の2ちゃんねるが登場した1990年代後半頃から使われています。
最近(2020年代現在)は「祭り」というインターネットスラングはあまり使われなくなりました。

「バズる」とは、buzz(ハチや機械のブンブンという音。人がガヤガヤ話す声)の動詞を日本語化したものです。
こちらもネガティブやポジティブ問わず「バズる」と表現されます。

同じくネガティブな意味でバズると「炎上」と呼ばれます。
主にTwitterが日本で流行り始めた2007年頃から使われ始めました。

海外のSNSであるTwitterの「バズり」と、日本の匿名掲示板の「祭り」。

このように「発祥の土壌」が違います。

例えば、
「アメリカ大統領のツイートがバズってた」とは言いますが「アメリカ大統領のツイートが祭りになっていた」とはあまり言いません。
また「匿名掲示板のスレッドで祭りになっていた」とは言いますが「匿名掲示板のスレッドでバズっていた」とはあまり言いません。

なぜ「バズり」の方が多く使われるようになったのか?

もう一つの大きな違いは「ユーザーの世界規模での不特定多数化」です。

「バズる」の方が多く使われるようになったのは、スマートフォンを通じたSNSの世界的な普及、リツートやいいね機能によって、ユーザーが匿名でより不特定多数になったからです。

これは発信媒体が、国内の匿名掲示板や動画サイトだけではなく、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeと言った海外の会社のSNSに移ったことに起因します。

例えるなら、
「祭り」では市町村に住む同じコミュニティという狭い範囲で盛り上がっていたのが、

「バズり」では世界全土という広い範囲で不特定多数という規模に拡大しています。


バズりは花火、祭りは焚き火


「バズり」では、話題が燃え上がって、鎮火するまでの燃焼スピードも速いです。

いわば「花火」です。

一過性で打ち上げて注目されて、そのまま消えます。

「祭り」でも、一過性であるものの「バズり」よりは燃焼スピードが長いです。

いわば「焚き火」です。

かろうじて一晩くらいは持って消えます。

「バズり」よりも「祭り」を目指そう

結果的に「バズり」も「祭り」もやっていることは同じなのですが、それ以降の寿命が違います。

「祭り」の方が寿命が長いです。

良い「祭り」とは、有象無象の玉石混交を受け入れることです。

例えば、お祭りでお神輿(みこし)をかつぐ時、全員が同じ方向を向いて規則的にワッショイワッショイとやったりしません。

真面目にかつぐ人もいれば、神輿の上に乗る人、神輿を反対側に引っ張る人、ぶら下がる人もいます。

「祭り」では神輿の御神体という中心と、担ぐという目的のある、玉石混交な面白さがあります。

「バズり」には「祭り」よりも不特定多数で広域なために、中心の御神体や目的が希薄です。


「質よりも量!」「量よりも質!」はどちらも間違いであり正解。

インターネット上で、

たまにバズっている人に「量よりも質が重要なんだ」と言う人がいますが、自分が流行っていないから起こる「単なる嫉妬」です。

その証拠に、なぜかそういう人は自分がバズって人気になりだすと、量として増えたファンを「量よりも質なんだ!」と必死に叩こうとはしません。

他人を叩くときだけ「量よりも質」と言っているのです。

仮にあなたが人気者になったとすると、その規模の大小問わず、

1%が自分の強い支持者、2割が普通の支持者、6割がどちらとも言えない中立派、2割が反対派、1%が自分に対する強い反対派

に概ねなります。

どれだけ自分のファンは質が良い!と言ったところで、アンチは必ず出てきます。
あなたが自然保護しようとも、動物を愛していようとも、ゴミ拾いをしようとも、社会的弱者を守ろうとも、どんな善行と呼ばれることをしようとも本気で否定してくる人は必ず出てきます。

なので、バズるにしても、祭りにしても、母集団が多いに越したことはありません。

それを大前提として、むしろどちらとも言えない中立派の6割を、どちらかと言えば好きくらいに、中間層を自分のファンに振り向ける努力のほうが大切です。

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「質よりも量!」「量よりも質!」は、どちらも間違いであり、どちらも正解なのです。

よって「バズらないかな」と考えることも重要ですが、それではあまりに無目的で漠然としていいます。

同時に「祭りにならないかな」という、ターゲットをより囲い込める土壌を意識することが大切です。