今は私は24歳ですが、外灯も隣家もなく物音1つすらない山奥の田舎に介護生活しながら住んでいます。
1年に1人ずつ近所の老人が亡くなっていって、いよいよ5軒あるうち、1軒1人になってきました。
放置されて荒れまくりの田畑をみて感傷するようになりました。
そんな時、歌人・片山廣子(1878年-1957年)の詩に心打たれました。
『動物は 孤食すと聞けり 年ながく ひとり住みつつ 一人ものを食へり』
「人は独り身になって、一人で食事をする時に寂しさで嘆くけども、他の動物は食事中、元から一人で食べる」という意味です。
人との関わり合いに慣れている人は、なんて残酷な歌なんだろうと思うかもしれません。
しかし人が死ぬ時は、どんな親しい友人がいようとも、どんな愛した配偶者がいようとも、どんな名誉や地位のある人でも、一人で死ぬのです。
生まれた時は母親はもちろん、いろいろな人に支えられたかもしれませんが、死ぬ時は一人です。
そう気付けば、あまり感傷的にならないのではないでしょうか。
「孤立と孤独」は違います。
孤独はみんなといる時に感じる寂しさがりますが、孤独は人を賢者にします。