祖母の認知症発動後の家族構成↑
通常の家族構成↑
介護していた祖母を入院の名目で老人保健施設に託しました。
今までの経緯は過去日記をご覧ください。
病気・不幸を作り出して支配するミュンヒハウゼン症候群
アルツハイマー型認知症の症状と進行1~体験当事者として経緯と症状~
https://libpsy.com/ninnchisyou1-alzheimer/2090/
祖父が亡くなってから3年間、最初の1年は「夫が亡くなったばかりで気が動転しているのだろう」と思って受容していたのですが、2年目になっても悪化、物忘れもどんどん激しくなり、周囲の人も「ちょっとおかしいんじゃないか?」と言われるほどに妄想ばかりになってきたので3年目にしていよいよ限界が来ました。
一番の原因は、実家の家族が夜寝られなくなること。
そして家族に対して一番嫌なことを言ってくることが大きかったと思います。
祖母はデイサービスに通っていましたが、外面はとてもしっかりした良いおばあちゃんなので周囲からも「あの人のどこが悪いのだろう・・?」と疑問に思われていました。
なのでデイサービスに行かなくても本当は良いのです。
確かに無理やりに行かせているようで心苦しい思いはありました。
しかし行ってくれないと日中の時間にぼーっとしたまま家で寝てしまいます。
すると夜が地獄になります。
日中に寝ていて動いてもいないせいで、夜寝られないので、夜に妄想を爆発させて家族を大騒ぎさせるからです。
本気で入院を決意させたトドメは、
「お母さん!(娘)あんたは何もしていない!いつも私が家事をしている!いつもいなくて憲一が私に泣きついてるじゃないの!」
↑そんなことない。毎晩三食、母が栄養のある食事を提供している。障がい者の夫と認知症の祖母を介護しながら福祉施設で一生懸命家庭を支えている。そして祖母は今まで料理を1度もしたことはない。そして私は祖母に泣きついてもいない。
「お父さん!あんたは私が建てた家にいつまでも居座ってないでさっさと出て行け!」
↑そんなことない。家は私の父が障がい者になる前に一人で建てた。母親の養子にまでなって母親家族を受け入れた。家を建てたお金は折半すると、祖父母とも約束したのにその約束を平気で破り、わしらがこの家を建てた、嫌なら娘と別れろと言って祖父母は家を乗っ取った。
「憲一!あんたは女を部屋に連れ込むな!浮気しとるのか!さっさと帰らせろ!」
↑頻度が高かったデタラメ妄想。なぜか私が祖母の夫(死んだ祖父)。祖母と結婚していることになっており、浮気していると言いにかかる。孫の顔を早く見せろと言う割に、ただし女は作るなと処女懐胎(しょじょかいたい:処女受胎とは男女の交わり無しに子を宿せ)と欲求する。
「この家族はおかしい!お兄ちゃんに言いつけてやる!」
↑20年以上前に太平洋戦争でフィリピンで戦死している
「なんやこれは!ヘビかー!!」
↑フローリングの床である
という大騒ぎを夜中の3時に起きてきて、部屋をドンドンドンドン叩いて説教しに来たことです。
翌日になってもこれを続けていました。
祖母は「可哀想な憲一ちゃん…」という恋焦がれる乙女と化して私への監視・監査・支配を強化してきました。
自分より不幸な人を作って、自分は心理的安心を得ようとする祖母の「代理ミュンヒハウゼン症候群」です。
これを私は「ソヴォ・ジュリエットモード卍解」と名付けました。
モードとはジャンプ漫画のNARUTOの仙人モードとか九尾モードとかに由来。
卍解(ばんかい)とはジャンプ漫画のブリーチで斬魄刀がパワーアップした時の状態に由来します。
わざわざジャンプ漫画から名付けたかというとそれほどまでの幼児退行っぷりとギャグセンスを感じたからです。
ロミオとジュリエットのように「おぉ、あなたはなんて可哀想、私はなんて美しい。」と言って、監視・監査を続けるのです。
衣食住すべての監視に入ります。
「かわいそうだねぇ」
親戚・親族一同が祖母の目視できる範囲の常にいなければいけません。
それでいて不幸で悩み苦しんでいなればなりません。
この条件を揃えて「かわいそうだねぇ」
「私が買い物に連れて行ってあげようねぇ」
「ほれ、親戚の○○、早く私を連れていかんか。お前が買い物したいって言い出したんだ。」
ソヴォ(祖母)が暴走すると、私は実家に帰れなくなります。
認知症の祖母の「ジュリエットモード」だけでも相当に気持ちが悪いのですが、妄想だけならまだいいです。
それが「卍解(ばんかい)」すると、その妄想を事実として行動化します。
衣食住すべてにストーカー並の監視監査が入るので私は逃げるしかありません。
ジュリエットモード卍解したあとの祖母は、私が女を連れこんでいると怒り狂う嫉妬妄想が始まります。
近隣住民(年齢問わず)を私の彼女と勝手に認定して本人に「やめてくれ」と怒るようになる。
これを私は「エア女との戦い」と名付けました。
「エア女」は、空気の女です。
「空気読め」に掛けて「空気嫁(くうきよめ)」とも呼ばれることに由来します。
妄想から作話して他人を私から勝手に遠ざけるので迷惑すぎるのです。
妄想に出てくる女も実在してるならまだいいです。
実家内で「女の声がする。憲一はその女に泣かされて大泣きして、私を求めている。」という「実在しないエア女」を仮想敵にしてバトルします。
その時に20年前に死んだ祖母の兄がよく来るのです。
そんなことを深夜に起きてきてやるのです。
しんどすぎます。
「ベッドの下に赤ちゃんがいる」
「窓から女の子が覗いている」
「兄ちゃん(20年前に死んだ)が来る」
「電話したら兄ちゃんが出た。」
・・幽霊屋敷か実家は。
15分に1回の頻度でこの報告をしに来るのでどうしようもなかったです。
周囲の人も認知症の祖母に共感的に当たり障りなく対応していましたが、ここまで状態がひどいともう他人として見ないとやってけれないのです。
同じ家族と思うと情が出てしまって確実に腹が立ってしまいます。
家族で大好きなおばあちゃんなのですが、今では施設の利用者と同じように接するしかなくなっていました。
このような状態を専門用語で「せん妄」と言います。
意識障害が起こり、頭が混乱した状態です。
手術の後、事故の後、寝起きなど、ぼーっとして意識レベル(覚醒状態)が下がっている時に起こります。
幻覚や幻聴を伴うことがあるのは「妄想」と同じです。
見当識障害、被害妄想、嫉妬妄想、解離性健忘、作話・・。
アルコールさえ飲みませんでしたが、コルサコフ症候群のような、低栄養状態のようなそんな印象もありました。
祖母のせん妄に引っかかると釣れた釣れたと言わんばかりに「ジュリエットモード卍解」で監視・監査・支配のストーカー行為を強化させます。距離を保たなければなりません。
なんで祖母は90歳でここまで身体が健康体なのか。
赤十字社の看護師だからか。老健も特老も入る理由がなさすぎで困りました。
認知症だけがバーストしていました。
そんな時、ケアマネージャーさんを通して話を聞いた病院の先生(元祖母が看護師として務めていた病院)が、
「時田さん(祖母)には、お世話になったからな・・うまいこと今後を調節していきましょう。」
と仰ってくださり、
入院という名目から、老健までの段取りを整えてくれました。(すでに事前に申請はしていたので)
施設の祖母に会いに行くと「家に帰る」とパニック状態になるので、しばらく会わないほうが良いとも助言を受け、
本気で心が痛みながらも、祖母を施設へ送り出しました。
身体自体は健康でADLもまれに失禁などの排泄問題行動があるものの自立はしていたので、
おそらくあと2年くらいは耐え切れば同居できるとは思いました。
ただ父親も介護が必要なので、そこで祖母も介護となると体力的にも精神的にも母親と私の限界がきており、ここが妥協点でした。
送り出すときは突然が良いです。
親戚連中までとやかく巻き込むようになると後で尾を引くだけになります。
これだけ嫌な人格になった祖母といえども、育ててくれた事実はあるのと、お世話になったので、
それゆえに慈悲深く縁を切らなければならないこともあるのです。
申し訳ないですが、祖母が実家にいなくなったことでかなり身軽になりました。
家に人が来てくれるようになりました。
祖母が呼んだ客を追い出したり、せっかく来てくれた客を追い出したり、大騒ぎすることがなくなったためです。
いろんなことを学んだアルツハイマー認知症の祖母と過ごした日々でした。