小児科医や産婦人科医の不足が「医療崩壊」を招くといわれましたが、医学界と行政が対策に取り組んだ結果、志望者数は増加に転じています。一方、外科医の不人気は相変わらずで、この世界で「独り負け」しています。こうした状況が続けば、早晩、日本に「必要な時に手術が受けられない」時代が訪れるかもしれません。
なんと「外科医師」が絶滅危惧種になっていた…産婦人科・小児科を横目に一人負け、20年後には「地元で手術」が受けられないかもしれない(現代ビジネス)
https://news.yahoo.co.jp/articles/93e57f3e8c1ff0a34719f7608e625dba0c115b2c
医局制度がなくなったら、外科は絶対やりたくないだろう。
医師会が内科医の個人開業医団体(大学病院ではない)ことからもご察しで。
外科は病院の稼ぎ頭であるはずなのにリスクに対して待遇が割に合わず、転職時も手術室しかなく潰しがきかず大病院を転々として独立から遠くなる。
一生、上に使われる。
解剖の語源は「手仕事」
かつてキリスト教で「最後の審判前に解剖するなんて何事だ、死体が欠損したら復活できない」と言われ、地下でこっそりやるしかなかったように。
まして生きてる人間の肉体には、聖書の神の奇跡を解いて荒稼ぎしていたので、解剖する人は人間の本質を真相暴露する外道と呼ばれ。文字通りの外道の外科。
surgery(外科、手術)
Word OriginMiddle English: from Old French surgerie, contraction of serurgerie, from serurgien, based on Latin chirurgia, from Greek kheirourgia ‘handiwork, surgery’, from kheir ‘hand’ + ergon ‘work’.
中世英語:古フランス語のsurgerieから、serurgerieの縮約形、serurgienから、
ラテン語のchirurgiaに基づく、kheir「手」+ergon「仕事」からギリシャ語のkheirourgia「手作業、外科」に由来。
argon
late 19th cent.: from Greek, neuter of argos ‘idle’, from a- ‘without’ + ergon ‘work’.
19世紀後半:ギリシャ語で、a-「なし」+ergon「仕事」に由来するargos「アイドル」の中性名詞から。
「手(kheir)作業(ergon)する(-eo)こと(-ia)、手術」がこの単語のコアの語源。
中期英語 surgerie(外科)
⇒ 古期フランス語 surgerie(外科)
⇒ ラテン語 chirurgia(外科、荒療治)
⇒ 古代ギリシャ語 kheirourgia(手工芸、技能、手術)
⇒ 古代ギリシャ語 kheirourgeo(手作業する、手で乱暴する、手で作る)+-ia(こと、抽象名詞)
⇒ 古代ギリシャ語 kheirourgos(職人、外科医、手で行っている)
⇒ 古代ギリシャ語 kheir(手)+ergon(仕事)+-eo(動詞)
⇒ 印欧語根 werg-(働く)が語源。
英語 surgeon(外科医)と同じ語源をもつ。
接頭辞super, surの持つイメージ
さて、前回のsub-“下・副・補・近い”を受けて、今回はその逆のsuper-を取り上げます。変化形に、”sur-, supra-”などがあります。
super-, sur-, supra- = 上に、さらに、極度に、超越した、より優れた
“supermarket, supercomputer, super-car”などのように『普通より上、上位の』というイメージ核となります。見ていきましょう。
●作業(ergon)
エネルギー、アレルギー、道具、臓器
【古代ギリシャ語】労働。仕事。行為。
印欧語根 werg-(働く)が語源。organon(道具)と同じ語源をもつ。
allergy(アレルギー)
ergative(能格の)
energy(エネルギー)
surgeon(外科医)
surgery(手術)
【古代ギリシャ語】[名] 道具、感覚器官、楽器
◉ 語源解説
印欧語根 werg-(働く)が語源。古代ギリシャ語 ergon(行為)と同じ語源をもつ。
◉ 派生語
organ(臓器)
organic(有機体の)
organism(有機体)