【概要】

妊娠高血圧症(妊娠高血圧症候群)は妊娠中毒症の一つ。妊娠期の20週以降から出産後12週間までのあいだに発生。

特徴は妊娠20週以降に初めて高血圧が発症すること、産後12週を過ぎると血圧値が正常に複すこと、尿蛋白を伴う場合がある。

妊娠高血圧症は発症時期と程度の基準

・早発型・・妊娠32週未満
・遅発型・・妊娠32週以降
・軽症・・収縮期160mmHg以下/拡張期110mmHg以下/尿蛋白がない
・重症・・収縮期160mmHg以上/拡張期110mmHg以上/尿蛋白のうち1つが該当

【原因】

明確には解明されていない。
妊娠による循環血液量の増加、血圧調節機能の変化、ホルモンバランスの乱れ、体調の変化への不順応、ストレスや過労、運動不足や体重の増加など。

循環血液量の増加について、妊娠期の妊婦は循環血液量が通常の1.3倍から1.5倍程度に増加する。正常な妊婦においては血管拡張により血圧が正常に保たれます。しかし増加した循環血液量に対して血管拡張が上手くいかない場合、血管壁の聴力が増加すると血圧が上昇することになり妊娠高血圧症が起こる。

【観察項目】
バイタルサイン:特に血圧変動の有無と程度、呼吸、脈拍、チアノーゼの有無
全身状態:浮腫、尿量減少、口渇の有無、体重増加の有無とその量
検査結果:血圧、尿蛋白、体重、超音波検査、胎児胎盤機能検査、NST
自覚症状の有無:頭痛、めまい、胃痛、悪心、嘔吐、視力障害

【看護】
全身性浮腫の徴候の有無、安静、薬物、食事などの治療に参加できる、頻回な検査の必要性について言葉で表現できることを目標とする。
ケアとしては安静療法が中心。
他に、横臥により腎や胎盤の血液循環を促す、外来治療の場合は家庭で1日に30分~1時間程度の横臥安静を2~3回とる、入院する
食事では、減塩、低エネルギー、高たんぱくが原則。