2020年4月、一世帯に2枚配布された布マスクはどこで作られているのだろう?と多くのメディアで話題になりました。俗にアベノマスクと呼ばれるものです。

なぜ布マスク2枚だったのか?については前記事で書きました。

結論から言うと、マスクにかける予算をわざと高くさせ、本来は国民が納めて受け取るはずの税金を国関係者が横取りすることが目的です。

取り分が多くするには、マスクの単価を限りなく低くさせて、最小のコスト出費の送料で配布することが必要になります。
だから感染防御できるサージカルマスクではなく、
安価で感染防御できない布マスク、個人ではなく世帯単位、1枚10gのマスクを最小送料25g以内にするため2枚だったのです。

これらをどう計算しても40億円程度で済んでいるのに、466億円という100倍以上の税金をわざと多めに投入することで、差額を日本郵政株式会社の旧郵政の天下り官僚の給料ボーナスへとプレゼントしたのです。

前記事
なぜ日本政府の配布はマスク2枚だったのか?


ウイルスが出入り自由のスカスカの布マスクができるまで

「慣れない裁縫作業」をさせているせいでその質はひどいものでした。

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、政府が配布を進める布マスクに、虫が混入するなど不良品が相次いで確認されている。厚生労働省は18日、妊婦向けの布マスクのうち1901件について不良品の事例を発表し、21日に妊婦向けマスクの配布中止を決定。しかし、政府のマスク等物資対策班の関係者によると、18日時点で全戸配布用に準備していたマスクでも不良品が発見されており、これについては公表していない。

虫混入、カビ付着…全戸配布用の布マスクでも不良品 政府、公表せず 毎日新聞 2020年4月21日
https://mainichi.jp/articles/20200421/k00/00m/040/185000c

ただでさえ布マスクなのでウイルスは90%もスカスカに通してしまうわけですが、中国製を笑えないほどひどいものでした。

そして受注したのは6割方が興和。興和はミャンマーの工場で生産です。

受注したのは興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの3社で契約金額はそれぞれ約54・8億円、約28・5億円、約7・6億円の計約90・9億円だった。

政府配布の布マスク、受注3社が判明 計90億円で契約 2020年4月21日 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASN4P6GRPN4PUTFK022.html

なぜかマスク製造会社ではなく商社。

白元でも、ヘルスケアでも、ユニチャームでもありません。

マスクを作る専門ノウハウがあるわけではないので、安価で外注に流すでしょう。
質の悪い不良品マスクだろうが、検品も不足したまま、東南アジアからかき集めてくるでしょう。

興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの3社なので、マスクの種類や質にも個体差が大きく出るはずです。

興和は3月時点で布マスクを量産していました。過去の記事を探していたらありました。

ガーゼは手に入るので代用したいと語った。

洗って繰り返し使うマスク増産 興和、月5千万枚供給へ 2020年3月5日 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASN356HHXN35ULFA01T.html

不足している現在、マスクを増産することは素晴らしいことだと思います。「洗って使える」ことは良いです。その姿勢は応援したいです。

しかし問題は「なぜ効果のない布マスクを作るか?」ということです。不織布マスクではなく、ガーゼの布マスクなので、ウイルスは最大90%もスカスカに通してしまうのです。低コストで済むかもしれませんが、意味のないことは止めてほしいです。

ついに刑務所ビジネスを始めてしまった日本

当初布マスクの生産所は極秘でした。

ミャンマーのほかに
私が上記のように「刑務所ビジネス」なのでは?と書いたら、ちょうど時事通信のニュースとシンクロしました。これも当たりだったようです。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、縫製工場を持つ各地の刑務所で布マスクなどを製作する動きが広がっている。民間企業の発注を受け、月に約6万6000枚縫製できる態勢を整備。不足する医療用ガウン製作に向けた準備も始めた。

刑務所で布マスク製作広がる 医療用ガウンも―新型コロナ 2020年04月20日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042000044&g=soc

低コストを考えた結果、
感染防御のあるサージカルマスクだと工場生産で手作業の工程がないから、
わざわざ手作業にさせるために感染防御のないウイルススカスカの布マスクを
刑務所ビジネスで最低賃金以下で量産することにした、ということです。

本当に悪魔のような発想です。


刑務所ビジネスとは?

刑務所ビジネスとはアメリカで実際にやられているビジネス方法です。
逮捕して刑務所に入れる→合法的に最低賃金以下で働かせることができる、というビジネス方法です。

労働の賃金が安いので企業から作業の発注が受けやすいのです。

アメリカではスリーアウト性と言って、軽犯罪でも3回捕まると刑務所に入ります。
安くて確実に働く奴隷のような人材が容易に手に入るのです。

「刑務所ビジネス」の怖いのは一般人にも適応させようとするところです。

日本の冤罪逮捕できる中世の司法制度と相性が良すぎます。

国民が貧困であればあるほど、賃金は低くても三食の最低限の生活は保障してくれる刑務所に取り込まれようとしてしまうのです。

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別に刑務所で作ることは良いが、なぜ布マスクなのか?

別に刑務所の作業が悪いわけではないです。
雇用創出という面では良いです。
刑務所で仏像や仏壇を掘ろうとも、靴下やコースターを裁縫しようとも、どんな作業でも良いと思います。
私も刑務所の方々が作られた物品を「うわぁ刑務所の囚人が作ったなんて嫌だなぁ」なんて特に差別することなく使用しています。

しかし問題は「なぜ布マスクを作るのか?」ということです。

ここに疑問を持たなければなりません。

なぜ感染防御のない布マスクを手作業で量産させるのか?

なぜ感染防御のあるサージカルマスクを手作業させないのか?

に気づかなければなりません。


サージカルマスクや不織布マスクの量産もできたはず

刑務所ビジネスでも、布マスクにサージカルフィルターを1枚はさみこんで縫い付ける作業にすれば、多少は有用な擬似サージカルマスクが手作業できたはずです。

織布マスクを量産するくらいなら、まだ不織布マスクの方がマシです。

わざわざ感染スカスカの布マスクにこだわるのは謎です。

はっきり言えば、国のカネをピンはねで上が儲けて、現場は最低の低コストにしたい以外の理由がないのです。

知恵のある人はしっかりとしたフィルターの入ったマスクを使用しましょう。

なぜ日本政府の配布はマスク2枚だったのか?