データサイエンティスト協会の偉い人なんだったら、これを見て最初にコメントすべきは「交絡因子はないのだろうか?」であり、いきなり財務省の一見奇妙な結論を鵜呑みにするのはどうなのかなと。特に「年齢」は曲者で、Pearl因果推論本だと本編に入って最初の5ページ目で図入りで警告される話ですよ pic.twitter.com/31XiHkC31j
— TJO (@TJO_datasci) May 23, 2021
財務省の高齢化が原因ではないの資料の奇妙なところ。
「高齢化が要因ではない」「医療削減で増税しよう」「高齢化は悪くないから現役世代から増税しよう」という意図が見える。主にグラフの解釈の仕方がひどい。
・「医師と医療機関の増加が問題」と結論。そもそも増えてない。最適化が必要ではあるが。
・なぜか2007年をベースに伸び率を比較。一人あたりの現役負担の話のはず。高齢化に対応して早期退院も増えた要因が抜けている。
・なぜか1.1%と平均で一直線に切り分け。
・2要因の比較のはずが合算で金額記載がない。
さすがに今日の財務省の高齢化要因ではないグラフを擁護してる元ツイートは消されてる…。どう見ても怪しげなグラフだった。ただ、あの誘導的なグラフを財務官僚が国会議員に持たせて「高齢化が要因ではないです!だから医療や病床数や医療従事者を削減しましょう!」(これで日本人の医療福祉が削られて、増税のダボつきが財務省にきて豪遊できるぞ。しめしめ)と国会でやりかねない。
仰る通り。厚労省ではなく財務省のグラフと聞いて、分かる人なら初見でおかしい点に気付ける。
診療報酬改定と看護必要度の真実
高齢化しているのは事実なのだけど、グラフをなぜか2007年からスタートさせているのは平成18年度(2006年)から病院の診療報酬改定。
それまでの10:1の体制から7:1、平均在院日数短縮の縛りをかけた時期をわざと起点にしている可能性。
10:1から7:1にして医療の質が上がるだろう期待と同時に在院日数短縮をかけた。
例えるなら、宿題を減らして提出日を短くしたのだけど、結果的に大病院以外は宿題の達成ができなかった。医師看護師不足でそもそも確保できなかった。
大病院の増益が目的で患者の個別性がなかった。
https://www.u-hyogo.ac.jp/mba/pdf/SBR/3-1/203.pdf
本来であれば、宿題を減らせば負担も減って人員に余裕が出るはずが、提出期限も短くしたので逆に人員不足した行政失態。
失態が認められず現場を疑って「簡単な宿題(患者)を看てるのでは」と宿題内容を評価しようと導入されたのが「看護必要度」の見直し。
現状のコロナ入院患者の選別評価がこの時と酷似。行政は間違っていないという宗教的な神話から始めようとするので、現場評価で切り分けるという根本解決にならない八方塞がりな問題解決法に至る。
おそらく「在院日数短縮で、逆に人的な資源が必要になって医療費が上がっている」を、
逆から読んで「人的資源が必要になったから、医療費が上がっている。医療費抑制のために医療を削らなくては。」と財務省は結論づけたい可能性。