パーキンソン病介護闘病日記-2023年夏-

私の父の話ですが後学のために本人の許可もあり経緯を載せます。

状態

・主訴:パーキンソン病
・身体障害者1級
・要介護4
・診断2003年-(20年以上 要介護)
・3モーター式ベッド/車椅子/三点杖/歩行器で要介護
・姿勢障害により脊柱湾曲症(体がくの字)

パーキンソン病介護闘病日記-2023年夏-

6月7日~

父、常に2品のお菓子(リン酸)をベット上で食べ続けている

6月17日
祖母一周忌父の姉が見舞いに来る

6月23日
父、1日中、寝たきりに。睡眠時の不随意運動多い。痛がったり笑ったり痙攣したりしながらベッド上で動いている。
6月3日時点で血液検査のヘモグロビンが8.7クレアチニン0.87 前回+15eGFR68.5 前回-20
※おそらく鉄欠乏性貧血による意識障害

便秘10日続く
7月4日
父のかかりつけのクリニックから電話。父の血液データが良くないので至急、消化器科へと。消化管出血の可能性あり。
解熱鎮痛のロキソニン服用で胃腸が荒れて鉄欠乏性貧血の疑い。精密検査をと。便秘10日目でラキソベロンを連日服用しても改善されず。入院になる可能性もあるなと。
ロキソニン休薬タケキャブ追加

2023年7月~便秘と貧血による急変・意識障害~

7月5日
紹介状で大きな病院へ

造影剤でCT撮影大病院の消化器科から下剤3つが追加マグミット(酸化マグネシウム)パンテシン酸グーフィス 少しずつ減らしていく基本は2つで様子見2つだけで効くならそれだけで
グーフィスは強いので特に減らしていくこと
酸化マグネシウムにはエルドパなどパーキンソン病の薬の効果を弱める作用あり

7月7日
胃カメラ検査
前日6日9時から絶食受付後、胃カメラ検査室へ
Drの指示で当日朝5時前にパーキンソン病等の薬剤をいつも通り服薬

当日9時までに来院同意書問診票午前中に終わるだろう
鎮静ドルミカム使用、鎮痛キシロカインゼリー未使用(キシロカインアレルギーのため)消化管出血なし明瞭2cm未満ポリープ切除
30分程度で終了。

7月18日
前日17日夜10時までに下剤全部使って飲む

大腸検査
当日8:30までに来院大腸検査室へ同意書問診票血液検査
当日0:30 父、深夜にベットから転落。頭部外傷(後頭部)、おむつ外へ排便漏出、意識低下。大腸内視鏡検査日のため前日から絶食&内服禁止
Drの指示で当日朝5時前にパーキンソン病等の薬剤をいつも通り服薬
5:00 救急外来へ救急搬送 頭部CT 異常なし
8:00〜 採血
9:00〜13:20 大腸内視鏡検査のためのモビプレップ1.5Lの15分インターバル飲み排便回数4回
車いす上でのまどろみひどい。放っておくと、目を開けたまま手を動かして「今、作業所で作業してる…」と言って夢か現実か区別がついてない声をかけると元へ戻る

14:00〜15:00 大腸内視鏡検査&ポリープ切除2cm未満鎮痛剤ドルミカム未使用、鎮痛剤キシロカインゼリー未使用
15:30 診察
17:00 帰宅
結果として何事もなくてよかったです。ただ父親に付き添い続けて眠れない

7月18日〜8月11日Drの指示で少しずつ柔らかいものから食事スタート食事量が減るがペースト食から日に日に回復してはいた鉄分を吸収しにくくなるリン酸を多く含むカップ麺などは摂らないように気をつけている

右脇腹の痛みをかばうため右手を常にベッドに付く状態で10分程度が姿勢保持の限界というほとんど食べられていない食べる前に体力消耗して眠るパターン支えのキューブ椅子や布団を右に噛ませるが端坐位の姿勢保持難しく右脇に曲がって圧がかかれば、左の外側の太ももを引っ張るので痛くなるという
体重が10kgほど落ちている
1日中寝たきりで日中も眠り続けている

しかしベッドから立ってトイレへ行くことができる日もあった
一週間ほどで回復傾向あり便秘も改善傾向

2023年7月20日
父と回転寿司へ行く
かなり無茶ぶりの欲求
しかし父が死にそうだったので叶える必要性を感じた
夏休み前で混んでいたが車内で待ってテーブル席まで杖歩行でレーンにもたれ掛かるように座らせた

おそらく便秘も貧血も改善してきたと思われる

2023年8月~下剤によるパーキンソン病薬効果減弱による幻聴幻覚の妄想~

2023年8月4日
胃カメラ大腸検査の結果を聞きに行く特に異常なし
※7月18日から8月11日までは悪化もないが変化なく見える7月中旬よりは回復傾向に見える

2023年8月11日親戚の葬式にて、父が数時間だけ一人で家に留守番になることをごねる

2023年8月14日
父に幻覚症状が明確に発生
パーキンソン病の父には部屋に「黒いボロボロの服の人」が5人ほど見えているらしく、多くが老人らしい。「ゾンビ」と呼んでいる。それぞれでハサミで何か切ったり、作業しているようだ。私が近づいたり重なるとどくらしく、重なると黒い人の後ろ姿で私が見えなくなるらしい。私が手を水平に動かすと、黒い人の体は貫通するらしい。しかし夢を見ているときのように怖くはないらしい。

「ムカデがいる」と深夜に私と母を呼び出すが、床を目の前に指差して「ここにいる」「いま上へ動いた」と言うが二人で確認しても、指先にそんな存在はいない
かなり実態として確信して見えてはいる幻覚である。

おそらくレビー小体型認知症へ進行したのだろう(とその時は思った)

眼球を見開いたまま眠るベッド上で寝ながら暴れだす急に大声を発する痙攣するような挙動が5分に一回は散見される
「大丈夫?」と声掛けすればハッと意識が戻ってくる感じがある
入院を検討する
寝たきりではあるが便秘症状は改善されてきたので下剤を休薬するグーフィスと酸化マグネシウムを休薬
オンオフ症状の投薬タイミングがまずいのかと思い、エルドパを5時(半錠)、7時(1錠)、12時(半錠)、15時(半錠)、18時(半錠)、20時(半錠)に分散して変更。

2023年8月15日
父の姉が見舞いに来る幻覚症状がひどい一人来ただけなのに姉の夫まで見えている模様
幻聴と幻覚を見続けたパーキンソン病で寝たきりの父の認知機能が正常に戻ってきた。5日ぶりにまともに話せたのですごく嬉しかった。

【推考】
パーキンソン病の脳神経系の薬と、便秘薬の酸化マグネシウムを合わせた時の、意識障害と幻聴幻覚妄想と睡眠行動障害がADLをぐっと落とすレベルで危険すぎた。
医師や薬剤師いわく、幻覚幻聴の妄想は酸化マグネシウムでは起きない、仮に高マグネシウム血症が起きたとしても意識障害程度。パーキンソン病の薬の作用の可能性が高い。(酸化マグネシウムでパーキンソン病の薬の効果が弱まっていた…?)

妄想幻覚幻聴に対して否定することも反動強化されるのでいけないが、健常者が正常バイアスで話を整合させようと「それは昔いた先祖や、おばあちゃんかもしれない」と肯定して「それは本当に存在しているんだよ」と言うのも本人へ学習強化させるので状態悪化から最悪な結果になる。
明らかに整合性のない妄想幻覚幻聴は「否定も肯定もできない」のでどうすればいいか?話を深追いして傾聴してもいいですがキリがないので
「それ見てどう感じた?」と本人の身体感覚を聴くことが大切。
喜怒哀楽の答えしかないので、そこで留めておくことができる。

2023年8月18日
親戚の葬儀

2023年8月23日
少し買い出しに外出しても、病床の父からのナースコールこと電話がダーッと掛かってくる。
急いで戻るとトイレへ立とうとしてまたベット転落。汗だくで意識混濁。完全に白目を向いている。
しばらくベッド上で支えながら座位を取らせ水分補給。姿勢障害でエビのように仰け反り返っているので、誤嚥しないように前傾姿勢で支える。
明らかに姿勢障害で円背が進行しているコルセットの形が合わないくの字どころかLの字になっているセミの抜け殻のように背中が爆ぜている

【推考】正直もういつ死ぬか分からない気がしてきた。10代から20年以上、障害者の家族を介護してきて、もう自分の中で、何かが燃え尽きようとしている。
何をするにしても、タスク処理に家族介護が最優先で入り込んでくる。人生の視野狭窄。情けなさすぎる。
誰にも話せず、自省をこめてここに書き込むしかない。
2023年8月24日
親戚一同が見舞いに来る

60代で寝たきり障がい者の父に、80代の兄がお見舞いに来てくれた。さすがに思うことが多い。

うちの猫の動きを見ていると、父が夜に苦しんでいる時は、父の近くで見守っていたり、留守にする時は名残惜しそうに玄関へ見送ったりと、けなげに気遣いしてて泣ける。

しかし父は14日前後よりは回復している幻覚症状もない

2023年8月26日
【推考】10年前、認知症が悪化した祖母を施設入所を決断した時は、本人の幻聴と幻覚や徘徊がひどかったので、ギリギリまで耐えたが、はっきり、人としての実体を感じられなくなり「家族として一緒に暮らすのは無理そう」と思えた。
去年その祖母が死んで、今の危篤を繰り返す父を見ていると、意識が正常に戻ったり、そうでなかったりするので、この「家族に見える時と、見えない時」、飛行と墜落を繰り返すランダム性が、決断を鈍らせる。

一年前の祖母と父のダブル介護で祖母が亡くなって負担が減ったのは良かったが、今回、父の急変にて医学会へ行けなかったことに対して「ざまぁざまぁ、お前には私たちの引きこもり介護がお似合いだ」とニコニコする親を見て、家族介護に尽力したのに、何か久々に自分の中でブチ切れそうな何かが湧き上がってきた。何となくやることやったので、距離を置く踏ん切りがついた。

「痛いよ〜」「起こして〜」「立つ〜」「やっぱ寝る〜」「トイレ〜」「痛いよ〜」「寝る〜」「ごはん〜」「起こして〜」「痛いよ〜」
寝たきり要介護の父のこのループ。ナースコール連発。本当に滅入る。
この気の滅入りは、介護の行為からくるものではない。職務上の延長で責務感がある。
「流されている葉を、自分も流されながら追っかけてしまっている」情とプライドで言い訳がましくそれをしていることに焦燥感と情けなさを感じる。

心情的に交通費の支払いで破綻してしまいそうなので就活も一発勝負の諸刃の剣。
いや、そもそも1時間に一回ナースコール押してくる危篤の父を置いてどうしていいかわからない。
安定したときを狙って外出して大縄跳びに参加するような。タイミングが全く読めない。。

私が出かけるとなると「お前には出かけるのは無理だ」「働けない引きこもりが外に出るのは恥だ」「世間様におこがましいと思わないのか」「全てが終わった」「見捨てるのか…」と世界の終焉が訪れたような顔の親。
私が家に引きこもって頭を抱えていると「どうした?お前は働くことも出来ないのか?」「世間様に申し訳ないと思わないのか?」と満面の笑みでニコニコしてる親。
より自分より不幸な人を作って満足する。シャーデンフロイデ現象。これが元凶なんだろうなと感じる。

2023年8月28日
薬でも誤嚥を続けている一口だけなにか食べてもう食べれていない足が細くなり、足が青黒く変色している
【買ったもの】ダイソーで薬飲み用の水差しとストロー蓋付きコップを3つ買う(薬とドリンク用)異物除去麦粒鉗子購入
ここ数ヶ月、パーキンソン病で寝たきり障がい者の父が、誤嚥して救急対応でハイムリック法や背部叩打法を使うことが多々あったので、もういっそ吸引機とカテーテルを買った。ベビー用であるが、成人にも十分利用できる圧。
吸引器スマイルキュートhttps://amzn.to/3sMK6jL
私も鼻水が詰まった時に使うだろう。
2023年8月29日

シンヤにナースコール連発…介護ベッドから起きようとして失敗、滑り落ちて「助けてぇ〜」「助けてぇ〜」「痛いよぉ〜」「痛いよぉ〜」の父。おむつ交換は朝するが、本能的に起きてトイレへ行こうとはしてしまう。しかし、本当に寝られない…
1時間に一度は呼ばれる私は口に大きな口内炎ができた

2023年9月~突然の改善~

2023年9月1日ベッド上から自分で薬が取れるようにダイソーの商品で薬ケース作成

立ち上がり用の手すりを購入
ベッド上から動けなくなって筋力低下が激しいため理学療法士による訪問リハビリ開始(週2)

2023年9月7日目に見えて様子が良くなっている
自身で立ってトイレへ行き、セッテイングすれば固形物も食べられるようになるサイドテーブルなどを自分で右脇に挟み込んで食事を食べている入浴介助は必須だが

パーキンソン病の父が凄まじい勢いで回復してきた。

6月と7月と8月、完全に寝たきりで、下肢が真っ青でうっ血した状態で身体は折れ曲がって拘縮し、白目向いて幻覚症状だしながら痙攣してトイレと入浴と食事ともに全介助だったのに。
貧血も便秘も改善された。
食事はセッテイングすれば固形物も食べられるようになり、オムツを履いていても漏れる前に一人で歩行器でトイレへ。入浴も一部介助になった。
日中は端座位で介護ベッドに座ってテレビを見ている。
先月はもうお別れかと思って、親戚中で意識のない父の寝るベッドを囲んで集まったほどだったのに。
先週から鎮痛のロキソニンを復刻して投薬して、起き上がり用の手すりを追加して離床へのモチベーションを上げ、習慣で訪問リハビリも追加したのが良かったのだろう。
1時間に一度は「起こしてー」「痛いー」「寝かせてー」「トイレー」「やっぱ寝るー」のナースコール連発だった。
何をやるにも、脳内タスクで父の幼児的なADLニーズが優先度高い緊急で入り込んできていたので、まったく落ち着かず。忙しかった。全然落ち着いて眠れなかったので記憶にないほど。他のことに手が回らなかった。
これでやっと私も動き出せる。

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