私の祖母が軽度の難聴・聴覚障害で、友人にも聴覚障害の人がいるので、その実体験からの需要を考えて記事を記載します。
結論から書くと、
日常生活用に(頻繁に付けたり外したりする物なので、なくしたりしない用に)
victor-ボイスレシーバー みみ楽 EH-A500(ビクター)(軽度~中度難聴)
(下は左右とも同じ商品です。)
※みみ楽が売り切れの場合は、ほぼ同じ性能(多機能に強化されている)の
●パイオニア フェミミ集音器 TPVMR-M800-W(パイオニア)(軽度~中度難聴)
あるいは高度難聴までカバーするのであれば
●パナソニック ポケット型補聴器 WH-2400(パナソニック)(軽度~高度難聴)
高度~それ以上の重度難聴までカバーするにはWH-2600
2400は中度~高度(50~90db HL)の難聴者対象、2600は高度~それ以上(70~100db HL)の重度の難聴者対象です。
と
外出用(もちろん自宅内用でもいいです)に
●シーメンス デジタル補聴器 デジミミ2 (軽度~中度難聴)
←左耳用 右耳用→
の両方、あるいかいずれかをオススメいたします。
↓実際に手にしてみた様子も別記事で書きました(写真)
(少し前置きを書きますので、比較だけ見たい方は線内を飛ばしてください。)
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●少しでも軽度の難聴(日常生活で会話を聞き直す程度)になったら対策を考えた方がいい
難聴・聴覚障害というのは、認知症(痴呆)につながりやすいと言われています。
よく「目が見えないのと、耳が聞こえないのはどちらがつらいか?」と考えたことはないでしょうか。
私自身、当事者の苦労を同じ土俵で単純に比較してはいけないという前提の上で、視覚障害・聴覚障害の人の両方にこの質問をしたことがあります。
障害なく健常な人は「目の見えない方がつらいだろう」と答えることが多いと思いますが、それは「コミュニケーション(会話・交流)ができる」という前提で言われていることが多いです。
視覚障害は視えなくても聞こえるのでコミュニケーションができますが、聴覚障害だと聞こえない=「音が分からない・忘れるので、しゃべれない」なので、コミュニケーションが難しくなります。ここが大きいです。
コミュニケーションができないと「世界で自分一人が孤立している」ような感覚になって、高齢者であれば思考停止のような形から認知症・痴呆に繋がりやすいのです。
●こんな時には市販の補聴器で!
難聴・聴覚障害の場合、医師に障害者手帳の診断を受け役所に申請し、障害者自立支援法による補装具費支給制度を受けて補聴器を補装具費支給を受けて(障害等級や所得で上限あり)で購入することが多いと思います。
ただ、高齢者で離れて暮らしているためにそのような機会がなかったり、障害という世間体や、職場の事情などで「どうせ補聴器なんて10万~40万円するし…」「買うにしても、そのために申請が手間だし…」と懸念している方も多くいらっしゃいます。
自分もそんな一人で、いっそ軽度の難聴くらいであれば、市販の安価で簡単に買える補聴器はないものかと考えました。
(高度の難聴であれば、診断を受けて自分の耳にあった補聴器を購入した方がいいと思いますが、やはり専門機関でオーダーメイドは高価の上に粗悪品もあるので、軽度~中度向けにたまに使う程度の簡易的な補聴器の紹介サイトがあってもいいと思い、ここに比較サイトを記載する次第です。)
近年の技術進歩は目覚しいもので、どんどん新しい市販で高性能な補聴器が開発されています。
(「補聴器」とは難聴の中度以上向けで、軽度は「集音器」と呼ばれることが多いです。)
●難聴の 軽度、中度、重度 の参考
聴力レベル
30dB~40dB (軽度難聴)
・小さな話し声やささやき声はききとりにくい。
・普通の会話は不自由がない。
40dB~50dB (軽度難聴)
・1対1の会話では、さほど困難はない。
・3~5m以上離れた場合や集団での話し合いの場合には、普通の話し声では聴取が困難。
・高音域の聴力が落ちでいる場合は、聞き違いが多い。
・話し相手の顔が見えないときには、言っていることが半分くらいしか理解できない。
50dB~70dB (中度難聴)
・1mほど離れた会話は可能である。しかし聞き違いが多い。
・集団での話し合いの場合は聞きとりが困難。
・高音域の障害が大きい場合には、サ行・カ行・タ行の子音が聞きとれず、タ行・ダ行に聞き違いられる。
・補充現象のある場合は、ことばの聞き分けが悪く、大きな音を聞くと耳がガーンとする。
70dB~85dB (高度難聴)
・耳元で言えば会話ができる。
・比較的近いところでの自動車の警笛、犬の鳴き声など、大きな音は聞こえる。
・耳元での母音の聞き分けはできるが、たいていの子音の聞き分けは困難。
・補充現象のある場合は殊にことばの聞きとりが悪く、大きな音を聞くと耳がガーンとする。
85dB~ (重度難聴)
・耳元の大声はかすかに聞くことができる人から、まったく聞こえない人まである。
・母音の弁別がある程度可能な人もいるが、大多数は不可能。
・相当大きな物音にも気付かないことがある。
・太鼓や爆音などに反応することが多い。
・補充現象のある場合は実際以上の大きな音に聞こえ、頭がガンガンする。
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※ここでは軽度~重度の方を対象に紹介します。
ここで紹介するメリットは、あくまで軽度~重度の聴覚障害の方は補装具費支給を受けたとしても数十万円以上の高額な補聴器を買うことが多い(あるいは買えない)ので、手軽に買える医療機器と同等の性能(それ以上の)補聴器を紹介することです。数十万円以上で高額でも自分のオーダーメイドがいいという人は専門の医療機関に相談してください。(ちなみに専門機関を通してもシーメンス等々、勧められるメーカーは同じです。)
軽度~中度であれば周波数帯はだいたいどの商品も同じHzをカバーしているので、見るべきは音圧レベルのdB(SPL)と細かい機能です。
以下、補聴器・集音器を比較していきます。
Amazonだと量販店より2000~3000円。あるいは半額近くお得です。(比較済み)↓
victor-ボイスレシーバー みみ楽 EH-A500(ビクター)(軽度~中度難聴)
(下は左右とも同じ商品です)
高性能な集音器で競っているのが「victor」(ビクターのみみ楽シリーズ)と「Pioneer」(パイオニアのフェミミシリーズ)のニ社。
周波数帯域 400Hz~4,000Hz・最大音響利得 40dB ・単4充電式ニッケル水素電池(何度も使える充電池も付属)
「子音はっきり効果機能」がついていて、1000Hz~4000Hzの子音帯域を強調してくれる。また突然の大音量(例えばガラスが割れる、車の事故の音など)を自動キャンセルしてくれる機能もついている。
公式サイト ビクター みみ楽
https://www3.jvckenwood.com/accessory/voice_receiver/eh-a500/spec.html
●パイオニア フェミミ集音器 TPVMR-M800-W(パイオニア)(軽度~中度難聴)
上記2つがフェミミの最新機。同じく1000Hz~4000Hzの発話音声帯域を強調してくれる。自動音量調整回路(ALC)は、くしゃみや突然の大きな音を瞬時に制御、大切な耳を守る。生活シーンに合わせた聴こえ方に切り替え可能。「通常モード」「会話モード」「テレビモード」「電話モード」。携帯電話のように充電器に置くだけで充電できる。(モードを使い分けることは少ないかもしれないが、ここでやっとビクターの「みみ楽」の「突然音キャンセル機能」「子音強調機能」と並ぶ機能がつく。)
みみ楽と比較して、多少価格が高くても最新性や多様モード機能を選ぶなら、こちらでもいい。
最大出力音圧レベル:112dBSPL、最大音響利得:42dB、電源DC12V(単4形ニッケル水素電池×1)※単4形乾電池も使用可能
公式サイト パイオニア フェミミ
https://pioneer.jp/press/2012/0202-1.html
●パナソニック ポケット型補聴器 WH-2400(パナソニック)(軽度~高度難聴)
最大出力音圧レベル:140dBSPL以下、最大音響利得:65dB、電池寿命:約115時間。もうすでに重度難聴の方、あるいは長期的な難聴の進行も見越している場合、こちらをオススメします。
65dB(約70dB)として重度難聴レベルまでカバーしている完璧な補聴器。軽度中度の商品が40dBなのに対して、重度の65dBまでカバーする圧倒的な差。パナソニックという大手というのも安心。そしてこの価格なのは、この商品だけです。
高度~それ以上の重度難聴までカバーするにはWH-2600
2400は中度~高度(50~90db HL)の難聴者対象、2600は高度~それ以上(70~100db HL)の重度の難聴者対象です。
●シーメンス デジタル補聴器 デジミミ2 (軽度~中度難聴)
←左耳用 右耳用→ (一番右は電池)
医療器具メーカーのシーメンスから発売されていたロングセラー補聴器。大人気の耳あな型デジタル補聴器「デジミミ」にピーピー音を抑えるハウリングキャンセラーなど魅力的な機能。シーメンスの協力会社であるドイツ ハンブルクの名門補聴器メーカー「ハンザトーン」が開発・設計した世界70カ国以上で愛用されている補聴器。最大音響利得 43dB、最大出力音圧レベル 123dB SPL。医療機器承認番号取得済。
10万円以上するオーダーメイドの補聴器よりも安価で高性能ということで、高価な医療補聴器からわざわざこちらのデジミミ2にする人もいるほど。
補聴器Proショップ デジミミ2 詳細な説明
https://www.hochouki-pro.com/SHOP/ko0015.html
パイオニア フェミミ聴音補助器 VMR-M30(パイオニア)(軽度難聴)
1000Hz~4000Hzの発話音声帯域を強調してくれる。M30は旧式だが、価格ゆえに人気。ただしイアホンが外れやすいので別途購入が必要だろう。
パイオニア フェミミ聴音補助器 VMR-M78-N(パイオニア)(軽度難聴)
上記のM30の後継機。同じく1000Hz~4000Hzの発話音声帯域を強調してくれる。上記のM30よりも低周波数帯(ざわめき・環境音)を拾う。(M30とそこまで大差なし)
[周波数帯域]500Hz~4,000Hz、[最大音響利得]37dB、[最大出力音圧レベル]112dB SPL、[使用電池]単4形充電池※別売
耳かけ集音器II AKA-108(旭電機化成)(軽度難聴)
最も安価なカナル型(耳に入れるタイプ)の集音器。値段相応だが、軽度な難聴の方であれば、外出する際にあればヘッドホン型と比べれば動きやすくて便利だと思う。ないよりはマシという感じ。ただ、ザーッという雑音を常に多く拾ってしまい、指を触れるとピーと音も鳴る繊細さがある。なくしても安いので諦めがつく。ただ、日中ずっと付けているには耐え難いものがあり、スイッチが小さいので、若い人や、目が良く手先の細かい高齢者のみ操作できる。長期的に使おうと思った場合、連続使用24時間で切れるLR44のボタン電池を大量に買っておくといい。
もちろんこの商品でも使えないことはないが、本気でハウリング(ピーという音や雑音)を抑えたいのであれば、カナル型(耳に入れるタイプ)では「デジミミ」がトップクラスでおすすめです。
集音器 効聴 KR-77(マルスコーポレーション)(軽度難聴)
イアホンのカナル型。高齢者で耳かけ型だとなくす懸念が多いので、このようなipodのような形が好まれる。ただし耳かけのような外出の際の動きやすさは難しい。
可変周波数:高200Hz~14000Hz、低200Hz~4000Hz(音声帯域のみ) 音圧レベル:120dB~150dB 電源:単4乾電池1本(モニター電池付属)
価格面では安いのですが、ここまで出費するなら思い切って下記の「みみ楽」や「フェミミ」や「パナソニック ポケット型補聴器 WH-2400」を購入したほうが、「子音強調機能」や「突然音キャンセル機能」がついていて長期的に考えて利便性が高い。
骨伝導集音器 ミミィ MA-700(マルスコーポレーション)(軽度難聴)
基準周波数:100~10000Hz、音圧レベル:120dB、最大音響利得40dB
操作が複雑で、電池式なのでアダプタで充電ができない
音声拡声器 Clear Voice(骨伝導クリアーボイス(伊吹電子)(中度難聴)
周波数特性:200Hz~5500Hz、音圧レベル(骨伝導):138dB ±5dB SPL、最大利得(骨伝導):58dB ±5dB
充電はアダプタでできるが、付属イアホンには雑音が多い
骨伝導音声増幅器 きくちゃん HA301-KJF(TEMCO)(中度難聴)
これで軽度~中度の難聴対象なので、値段的にはオーバーコスト。ここまでくるなら素直に聴覚診断を受けて手帳申請して支給金で割り引いて補聴器を購入した方がいい。
みみ太郎 イヤホンタイプ集音器 両耳用 SX-008W(シマダ製作所)(高度難聴)
高度難聴の中間くらい(80dB)までカバーできている。ただ値段的にはオーバーコストな気がする。ここまでくるなら素直に聴覚診断を受けて手帳申請して支給金で割り引いて補聴器を購入した方がいい。
これ以上は90dB~100dbの重度難聴になるので、市販のものだとホワイトイアー(WHT-201)などがありますが、さすがに更に高価になってくるので、診断を受けて申請の後に自分に合ったものを購入した方がいいです。
●まとめ結論
多くの人はビクターのみみ楽か、パイオニアのフェミミか、パナソニックのポケット型補聴器 WH-2400で迷うことになると思います。骨伝導にすれば良い商品もありますが、価格を見ていただいても分かるように高度難聴向けであるがゆえに高価であり、ここまでするなら専門の医療機関に相談して診断を受けて福祉給付で購入した方がいいです。
パイオニアは商品数は多いのですが、機能面において3万円代でビクターの2万円代のみみ楽に並びます。モード選択機能などは煩わしいことを嫌う高齢者にとっては少しパイオニアはオーバーテクノロジーであるように思いますが、それでも品質は十分です。
基本的には「会話の子音強調機能」「突然音キャンセル機能」この2つが付いた上で、スイッチON/OFFとボリューム調節の単純構造なのが双方ともいいです。
パナソニックのポケット型補聴器 WH-2400は多機能でこそありませんが、圧倒的に聞こえる領域が唯一重度難聴レベル(65dB)までカバーしてるのでこのメリットは大きいです。
よって、価格面から考慮して、
日常生活用に(頻繁に付けたり外したりする物なので、なくしたりしない用に)
victor-ボイスレシーバー みみ楽 EH-A500(ビクター)(軽度~中度初期難聴)
(下は左右とも同じ商品です。)
※みみ楽が売り切れの場合は、まったく同じ性能の
パイオニア フェミミ集音器 TPVMR-M800-W(パイオニア)(軽度~中度難聴)
あるいは高度難聴までカバーするのであれば
パナソニック ポケット型補聴器 WH-2400(パナソニック)(軽度~高度難聴)
高度~それ以上の重度難聴までカバーするにはWH-2600
2400は中度~高度(50~90db HL)の難聴者対象、2600は高度~それ以上(70~100db HL)の重度の難聴者対象です。
と
外出用(もちろん自宅内用でもいいです)に
シーメンス デジタル補聴器 デジミミ2 (軽度~中度難聴)
←左耳用 右耳用→
をオススメいたします。
↓実際に手にしてみた様子も別記事で書きました(写真)
何らかの参考になれば幸いに存じ上げます。
追記:
電話の声を大きくする電話の拡声器(電話本体と受話器にかませるだけで)
電話の 拡声器 IIAYD-102
テレビの音を手元で聞いて音量調節できる拡声器(テレビの音コードに接続すれば無線でスピーカーが動かせます。つまずいて転倒するリスク無し。)
audio-technica 赤外線コードレススピーカーシステム AT-SP330TV
も便利なので付属品として紹介しておきます。