【概要】

分娩直後の子宮は約1kgであり、子宮底は臍と恥骨のほぼ真ん中に位置している。
子宮は分娩後2日間ほぼ同じ大きさを保つが、その後は急速に縮小し、6週後にはほぼ非妊娠時の大きさとなる。
子宮底の位置は膀胱の充満や分娩によって弛緩した骨盤底筋群の緊張の回復などにより、分娩後はしばらく上昇し、約12時間後に最高となる。

産褥1日以後の子宮底の位置は子宮の縮小に伴い、次第に下降し、産褥2週間後は腹壁上から触知できなくなる。
子宮復古過程では子宮が収縮するため、産褥2~3日までは不快な程度の下腹部痛を伴うことがある。後陣痛は経産婦に強くオキシトシンが分泌される授乳時に増強する。

腟および外陰の復古は、分娩によって伸展・膨張し、あるいは裂傷が生じた腟および外陰も産褥の経過とともに急速に回復し、産褥3週にはほぼ原型に復古する。

子宮その他の生殖器が妊娠前の状態に回復する過程を復古現象と言う。

復古を促進する際の留意点として
・膀胱・直腸の充満を防ぐ(必要時,導尿や浣腸を行う)
・早期離床、産褥体操
・悪路の子宮滞留を防ぐ
・睡眠、休息、栄養による体力の回復
・授乳の刺激によるホルモンの分泌作用
・産褥早期に子宮底の輪状マッサージを行う
・早期離床を促す
・早期より直接授乳を開始し、児の吸啜刺激によって子宮収縮を促進する