児が生まれたらすぐに、医師や看護師は吸引器で児の口、鼻、のどの粘液や他の内容物を優しく取り除く。
これにより新生児は呼吸ができるようになる。
臍帯の2カ所をクランプや鉗子ではさんで、その鉗子の間で臍帯を切る。臍帯の残った部分は1~2週間のうちに自然にとれる。
新生児の体を拭き、慎重に母親のおなかの上で抱かせて肌と肌を触れ合わせるか、殺菌済みの暖かい毛布に寝かせる。

新生児に明らかな異常がないか、苦しそうにしている様子はないかを調べる。
生後1分と5分にアプガースコアを用いて新生児の全身状態を記録。
アプガースコアが低い場合は新生児に何か問題がある徴候で、呼吸や血液循環の補助が必要となる。
新生児の状態が落ち着き母乳を吸ったら体重と身長を測る。

できるだけ早く軽い衣類(産着)でくるみ、頭も覆って体温の低下を防ぐ。

新生児は分娩のときに有害な微生物などに接触していることがあるので、感染症を防ぐため眼に抗生物質を数滴点眼。

母乳で育てる場合は、生後30分以内に母親の乳をふくませる。
新生児室に移動したら、新生児の体を仰向きにして小さなベビーベッドに寝かせ、暖かくしておく。
新生児はみなビタミンKが不足しているので、出血(新生児の出血性疾患)を防ぐためにビタミンKを投与する。

(備考)

【出生直後から24時間までの新生児のアセスメント】

出生直後の新生児は体温の調節機能が未熟なため、低体温に陥りやすい。
出生後24時間の看護のポイントは低体温の予防が中心になる。循環不全を起こし呼吸の確立の妨げとなるため。

◯出生時の体重測定
・ 頭位:水頭症の判断基準
・ 胸囲:乳頭を通って測る
全身の観察
 大泉門と小泉門の観察

◯バイタルサイン
・ 胸腹部の動きで呼吸を観察(胸部の上下動)
・ 心拍を測定し、同時に不整と雑音の有無を調べる
・ 初回の体温は直腸で計る、同時に肛門の観察
・ 出生後30分以内に抗生物質を点眼
・ 臍帯を扱う場合はかならずアルコール綿で消毒する

分娩室の俊備品
インファクトウォーマー、アンビューバック、気管チューブ、吸引チューブ、喉頭鏡、リネン類など

出生後2時間では授乳において新生児の吸啜状態や母親の受け止め方をみる。

生後約6時間以上経過したら新生児を入浴。
体を洗う場合、新生児の皮膚の大半を覆っている胎脂を洗い流さないようにする。