正常な新生児は、出生後4時間以内に哺乳を開始する。

母乳栄養の利点として、母乳は必要な栄養を最も消化しやすく吸収しやすい形で与えることができる。そしてIgA抗体および白血球による感染症予防。また便と腸内細菌叢のpHを適切な状態にするため、新生児を細菌性下痢から守る。こうした母乳の防御的な特性により、母乳で育っている赤ちゃんは、人工栄養で育っている新生児も感染症にかかりにくい傾向がある。母乳栄養は、アレルギー、糖尿病、セリアックスプルー、クローン病などのある種の慢性疾患の発症を予防する。

母乳により人工栄養で育てる場合に比べ、子供とのきずなを強く感じることができる。母乳を与えている母親の方が出産後の回復が早く、肥満、骨粗鬆症、乳癌、卵巣癌のリスクが低下するなどの長期的な健康上の利点がある。生後2カ月以降の母乳栄養児には、ビタミンDの栄養補助剤を毎日与えることを勧めている。

母乳が出るようになる前に、乳首からは「初乳」と呼ばれる薄黄色の液体が出ます。初乳はカロリーが高く、タンパク質と抗体が豊富に含まれている。抗体は新生児の胃から体に直接吸収され、多くの感染症から新生児を守る。