【概要】
胃腸炎とは、消化管の炎症。嘔吐や下痢、もしくはその両方。発熱や腹痛を伴う場合もある。

【原因】

原因で最も多いのがウイルス(ロタウイルスなど)。細菌(大腸菌、コレラ菌、サルモネラ属、赤痢菌属など)や寄生虫(ジアルジア属など)によって胃腸炎になることもある。保育所や学校その他の人混みの多い場所などで、胃腸炎にかかった小児や胃腸炎の病原体にさらされたことのある小児からウイルス性の胃腸炎をうつされることがほとんど。ウイルス性胃腸炎は一般に手から口へと広がるが、くしゃみや唾液から感染が広がることもある。
汚染された食品をさわったり食べたりした場合、未加熱もしくは調理が不十分な肉や卵であった場合、低温殺菌処理されていない牛乳やジュースを飲んだ場合に小児は細菌性胃腸炎に感染しやすい。下痢をしているイヌやネコから細菌に感染する場合もある。貝を食べたときや、井戸や川、プールの汚染された水を飲み込んだりしたとき、開発途上国を旅行で細菌性胃腸炎や寄生虫性胃腸炎に感染する可能性。

【症状と診断】

通常、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、食欲不振が組み合わさった症状。多くの場合、始めは嘔吐が目立ちますがその後に下痢が主な症状。
嘔吐と下痢が同時に起こる場合もある。ウイルス性胃腸炎の主な症状は水様性下痢。
乳児では、脱水症や深刻な副作用。乳児が脱水症になると泣いても涙が出ない。
年長児では、尿量減少と口渇。

【治療・予防】

予防策は、手指衛生、適切に保存されていない食物を食べないこと。
下痢をしている小児は症状がなくなるまで保育所へ戻ってはいけない。頻繁に水分を飲むよう促すことで脱水症を防ぐ。

乳児が罹患した場合、

大専門陥没
両目の陥没
泣いている時に涙がでるか
口渇
尿量減少

を見る。

乳児には、経口電解質溶液や母乳や粉ミルクを与え続ける。

嘔吐がみられる小児には、少量の水分を頻繁に与えて脱水症を予防。
与えた水分を吐かないようであれば、10~15分おきに水分を繰り返し与える。
1時間ほど経過した時点で、与える量を30~60ミリリットルに増やし、それでも吐かなければさらに量を増やす。
1回に飲む量が増えたら、与える回数を1時間に1回程度に減らす。
飲んでから10分以上経過した後に吐いた場合、その水分の大半は吸収されているため、その後も水分を与え続けます。
24時間に与えるべき水分量は小児の年齢によって異なるが、小児の体重1kgに対し約100mml。
小児の嘔吐や下痢が治ってきたら、翌日からは普通の食事に戻す。
電解質溶液は栄養不足に関連した問題が生じやすいので24時間以上続けて投与しない。

下痢はあってもほとんど嘔吐がみられない小児には普通の食事を与える。しかし下痢で失われた分の水分を多く与えるようにします。
下痢がひどい場合、乳製品の摂取を減らした方が良い。
数口分の水分も胃にとどめておけない場合や、重症の脱水症の徴候(うつらうつらする、口が渇く、涙が出ない、6時間以上排尿がないなど)がみられる場合は危険。