アルツハイマー型認知症の症状と進行1~体験当事者として経緯と症状~

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私の祖母が認知症と診断された頃、ネットの体験談が参考になったので、私自身も体験談を載せておきたいと思います。

祖母のプロフィールと性格

祖母は日本赤十字社の看護師(戦前には珍しい正看護師)です。
50歳頃まで病院で勤め、結婚してからも夫(祖父)より一家の稼ぎ頭として働き続けました。
それからも80歳まで地域の訪問看護に付き添ったりして働き続けました。

多くの人からは「素晴らしく良い人」と言われていますが、トップにいた職業柄か「人に指示して管理したがる癖」で、お節介が行き過ぎて「いい迷惑」になることが多かったです。
「自分がトップでないと落ち着かない」「そのためには相手が自分より不幸でなくてはならない」という思考に凝り固まり、
「他人を看護(管理)できる状態」=「不幸な状態」と結びつき、本末転倒で「不幸にするために行動する」ようになった頃には完全に「代理ミュンヒハウゼン症候群」でした。祖母の口癖は「なんて可愛そうな人たちなの」です。
過去日記↓
病気・不幸を作り出して支配するミュンヒハウゼン症候群

私はこの祖母の「不純な動機による行動」のおかげで、本物の「偽善」が身にしみて分かるようになりました。

健康に育ててくれたことに感謝する反面、「こうならないようにしよう」という反面教師になりました。

祖母は70歳頃から、肺気腫で自宅酸素療養を受けていた祖父(大体同じ歳)の看護をしているのが日課でした。
看護師のプライドが高かったので、気落ちすることもありませんでした。
逆に「かわいそうな夫」を看護することは看護師として評価されるので本人のモチベーションの向上になっていました。自宅なのに病院みたいな設備が揃いました。

難聴というきっかけ


個人差はあると思いますが、80歳過ぎて耳が悪くなって難聴になりました。

祖母は、祖父のおむつ交換の際に「出るからおむつを外すな」を「おむつを外せ」と全く真逆に聞き間違え、尿で床を汚してしまって、大声で私に助けを呼んだこともありました。

介護はされているものの認知機能は無事な祖父と、介護はされていないが難聴の看護師の祖母の、2人の自尊感情がボロボロになったと感じました。

どうしても祖父への医療費の出費が大きかったので、私も何とか負担軽減に安価で対応できないかと考え、

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過去日記↓
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これで難聴は対応できるようになりました。

祖父との死別からの物忘れと幻聴と幻覚の激化


ただ、その翌年に祖父が老衰で亡くなってからは、祖母の「不幸な人を作り出さなくては」という「代理ミュンヒハウゼン症」が強く出てきました。

祖母にとって肺気腫で酸素療法する難病の夫という「かわいそうな人」がいなくなったので自分の存在意義がなくなり、「他のかわいそうな人」を作り出す必要があるのです。

それからは物忘れも激しくなりました。

最初は、自分の物をどこに置いたか忘れる程度のよくあるものでしたが、財布や通帳や印鑑など重要なものも忘れるようになりました。

トイレ用の雑巾で、テーブルを拭いてしまったり、トイレを流し忘れたり、水道を止め忘れたり、コンロを止め忘れたり、風呂での体を洗い忘れる、他人が風呂に入っていることを忘れて入ってきてしまう、歯ブラシや箸は他人の物を使う・・など、の日常的なことすらもできなくなってきました。

「外出したい」というので連れ出せば1分も経たずに「まだ着かないのか!もう帰る!」
帰れば「早く外出したい!連れてけ!連れて行かなければ近所の◯◯さんが出たいって言ってる!連れて行ってくれる!(←妄想です)」
自動車が走行中に「もう着いた!降りる!」とドアを開けたりもしました。

なぜ外出しているのか、なぜそうしたいのかを忘れているのです。

まるで子どものように、周囲に迷惑をかけて、ぐずりました。


また難聴がゆえに「幻聴」がひどく、聞こえない音を聞いて、夜中に飛び起き、
「今、すさまじい叫び声がしたけど、何かあったのか!」と何もないのに大騒ぎしたりしました。

それだけならまだしも「代理ミュンヒハウゼン症」が重なって、
「このすさまじい叫び声は、私の子どもや孫が悲惨な目にあっている声だ!私に救助を求めている!」と解釈するようになって、実際に息子の住む遠方まで電話を掛けたりしました。

また「幻覚」もひどく、見えないものを見て、
「今、お前は女を部屋に連れ込んでる!早く帰らせろ!」と私の部屋をドンドンと叩くようになりました。

そこにも「代理ミュンヒハウゼン症」が重なって
「女は私に帰りたいって言っている!お前も帰らせたいって私に泣きついている!」と言い出していました。
ついには窓から下校途中の全く無関係な小学生女児を見て、勝手に「あれがいつも来ている女か」と妄想し、
「うちの孫は病気ですので、もう会いたくないって言ってます。会いに来ないでください!」と近所中に電話しました。
もちろんすべて幻覚・幻聴の捏造話なので、私はかけ直して謝罪しました。

また「◯◯さん、早くうちに来て!」と友人に電話して、来たら、電話をしたことを忘れているので「なんできた!?帰れ!」と言う始末。
そのうち来客がなくなり「最近だれも来なくなった!これは不幸な出来事があった!」と電話を掛け、
「どうした!?不幸なことがあったね!あなたの夫は倒れてるんだね!早くうちに来て!」と繰り返しました。

祖母以外の来客が来ると「悪徳商法者だね!?早く帰れ!」「警察の人だね!不幸なことがあったね!」と大騒ぎ。
来客と話していても「早く帰れ!お前の親は早く帰れって今言ってたよ!」と妄想・幻聴・行動化のオンパレード。

祖母の目的は、誰かを来させたり、帰らせたり、外出することではありません。

祖母の目的は「自分の言葉で他人が言った通りに動くこと+その他人が不幸になること」なのです。


介護者側としては、ここに気付いて言葉に惑わされなくなって楽になりました。


しかし本当に来客がなくなりました。

単なるお菓子の袋でも、生産者の県と電話番号を見て「今度からここに勤めるのか!?こんな遠い県に!かわいそうに!この私が言ってやめさせてあげる!」と言って電話を掛けたこともありました。

全く無関係の場所に、勝手な妄想をして暴走していました。


あまりに独占欲が強すぎて介護者の周辺関係を排除しようとする行動に出るようになりました。
妄想だけなら勝手ですが、行動化されると本当に困りました。


祖母の幻聴と幻覚は、
「凄まじい大声がするから、不幸が起こった!」
「畑で二人が見てるから、不幸が起こった!」
「遠くで救急車が来たから、不幸が起こった!」
「妹が倒れた!不幸が起こった!」
「もうすぐ家に不幸が起こる!大量の人が押し寄せる!早く工事を!」
…とすべて妄想。

自分より不幸な人間を作り出そうとするタタリ神と化していました。

パターンはすべて同じ。
他人を病気だ、死んだ、事故に会った、と不幸話を作る
→「可愛そうねぇ」(私はこんなに幸せなのに)と同情というプロセスでした。

まだここまでなら妄想だけでいいのですが、

ここから「早く近所の~さんに送ってもらって助けに行かないと!」や「近所の人にこの不幸話を教えないと!」で電話でテロのように行動化するので厄介でした。

しかも電話の数字版が認知障害で読めてないので掛け間違えるのです。


私が祖母に注意しても
「私は何も悪いことはしていない。(聖人たる私に)言い返すとは何事か。お前が悪い。ここまで育ててやったのにキチガイになるとは。親の許可をとって発言してるのか。これは問題だ。親戚を呼び集めて家族会議を開け。」
と言われて、いよいよ私の怒りが頂点に達したこともありました。

認知症状の祖母は、自分で病気の自覚がないので「私は何も悪いことはしていない、迷惑かけていない」という認識なのです。

外から見ていてギャグのような話も、自分がその当事者になると地獄です。


ただ私は親の理解や親戚の理解もあったので、祖母の方がおかしいことは周囲から理解されました。

おそらくこんな介護疲れから、高齢者虐待、高齢者殺人、介護自殺に発展していくケースがあるのはよく分かりました。

これで他に理解者もいない場合、福祉サービスもよく知らない場合だと深刻だろうと実感として分かりました。



次は
アルツハイマー型認知症の症状と進行2~要介護度認定と原因と治療~
http://libpsy.com/ninnchisyou2-alzheimer/2092/

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記事を書いた人



時田憲一(ときたけんいち)こと時ニール(tokeyneale)です(・ω・)ノ
とある国立大学の教育学部/心理発達科学。心理学者・認定カウンセラー。動機付け理論・自己愛・対人関係が主な研究領域。数理統計データサイエンティスト。
ねこ好き・本好き・禅好き・PC好き。

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