「音楽に国境はない」のルーツと語源

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音楽に国境はない」「音楽は国境を超えるという言葉を、名言・格言のようによく聞きます。
とても素晴らしい言葉です。

英語では、
1、Music has no bordersMusic has no boundaries、あるいは両方合わせた Music has no borders or boundaries
2、Music knows no boundaries/Music transcends national boundaries
3、Music crosses all borders
4、Every music can all go spread out to the world
Googleの検索によると1~4の順で多く使われている傾向があります。一番多い「Music has no borders」は3億件ヒットします。
(4は「どんな音楽でも世界中に広がっていく」でallという単語で「広がる」を指すgo spread outの表現をさらに強めています)

一体、誰が最初に言った言葉なのでしょうか?

気になって調べましたが、分かりませんでした。

何かの歌詞かな・・とも思いましたが、よく考えれば「音楽」は「ある国の特定の言語」ではないからこそ「国境がない」のであって、
「音楽に国境はない」なんて「ある国の特定の言語」で言えばそれは矛盾してしまいます。

「違う言語の国」から見れば、その「他の国の言語」で「国境はない」なんて言われても国境を超えていません。

「~の国の~さんが言った名言で・・」と特定されると、この名言は意味をなさなくなります。

他国の人が、他国の音楽を聴いて、その他国の音楽に「自然自発的」に「何かを突き動かされ」、この言葉を言うからこそ意味があるのです。

そうやって、各国々で音楽を聴いて、各国々で「こころ」を突き動かされて自然発生的に出てきた言葉なのかもしれません。

国境なき医師団(こっきょうなきいしだん、仏:Médecins Sans Frontières、略称:MSF)という医師グループのNPO団体があるように、これが結成された1971年のフランスにはすでに「Sans Frontières」「no borders」(国境のない)という言葉が出てきています。
つまり少なくてもフランスの「戦勝記念日」(※1)の1945年から1960年代までの約20年の間に、冷戦を続けるソ連とアメリカを尻目に、戦争に疲れたヨーロッパあたりから平和活動の一貫で出てきた言葉なのではないでしょうか。これ以上のことは分かりません。
(※1)Fête de la victoire de 1945。負けた日本のように「終戦記念日」ではない。

そして「他国の音楽」を聴く機会が多くないと、こんな言葉は出てこないはずなので、テレビやラジオなど大衆向けに情報が拡大して他国の音楽が気軽に聴けるようになってからだと思います。

また、最近のモダン・アート(近代芸術)を見ていても、芸術上での各国での文化的な差異は玉石混交されて、何がなんだか分からなくなってきている(※2)ので、そういった意味では「音楽」というジャンルに限らず
芸術には国境はない」「芸術は国境を超えた
・・とも言っていいのかもしれません。
(※2)芸術(=技術)の評価というのは昔から「過去の作品とカブってないこと」です。その自由な新規性をアート(リベラル・アートリベラル・アーツ)と言います。それは科学研究でも全く同じ同義です。
「過去の作品とカブる」時点で評価されません。例えばパリコレでモダンアーティスト・デザイナーの最新のファッションなどを見ていても、あり得ないほど奇抜な格好になっているのはそのためです。
アート(art:芸術・美術・技術)の語源は、ラテン語「アルス(ars)」。 アルスには、「自然の配置」「技術」「資格」「才能」などの意味。 「アルス」の語源は、テクニックの語源となっているギリシャ語「テクネーtechne)」の訳語。秩序を司る神「アヴェスタ」の名「Artra」や、アルメニア語で規則を意味する「ard」など印欧語で「ar-(適合する)」に基づく。(語源由来辞典より)

補足:「音楽は国境を超える」の「こえる」は、「超える」が正しいです。「越える」ではありません。

●越える ある地点やモノの上を過ぎて先へ行くときに使う
→山・川を越えて 飛び越す 国境を越えて亡命 年を越す 〔熟語〕越境 越年 越権
超える 一定の分量や基準を過ぎたときに使う
→限度を超える 百万円を超える金額 国境を超えた愛 音速を超え 〔熟語〕超過 超然

音楽が「国境を越える」というと、旅行の場面ならいいですが、それ以外ならまるで戦争のような、あるいは亡命のような物騒な感じになってしまいます。

→「超える」と「越える」に関する参考文献↓
記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集 一般社団法人 共同通信社 編著

これは便利!正しい文書がすぐ書ける本 小川 悟

Music has no borders In The Beginning Of The Song
http://greeksongstories.wordpress.com/2012/09/14/music-has-no-borders/

 

簡単に使っている言葉ですが、人間の根本を考えさせる言葉です。

 

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記事を書いた人



時田憲一(ときたけんいち)こと時ニール(tokeyneale)です(・ω・)ノ
とある国立大学の教育学部/心理発達科学。心理学者・認定カウンセラー。動機付け理論・自己愛・対人関係が主な研究領域。数理統計データサイエンティスト。
ねこ好き・本好き・禅好き・PC好き。

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