機械を壊して手工業に戻せば経済は良くなるか?~産業革命ラッダイト運動~

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高齢な方と話していると「日本が不景気で仕事が無いのは手工業を機械化したからだ。原始時代のように戻せば大丈夫。」と言う人がたまにいる。

やたら「機械打ち壊し」をしたい高齢者は多い。

BIS規制やマネーストックの仕組み、金融緩和や財政出動などを知らないのはしようがないが、これはラッダイト運動の反機械の思想そのものだ。

ラッダイト運動とは、産業革命で機械化が進む19世紀イギリスでラッダイト(Luddite)という人を中心に労働者が機械を破壊しまくった運動。
資本家に対抗して労働者に自由を、とやった。
こういうとこに近代リベラル(左翼)に、本来の古典的自由主義の意味を盗まれて利用された系譜を見受ける。

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もし今の日本でラッダイト運動すれば、経済が更に衰退し、治安は悪化し、失業者が増え、相関して自殺者も数千人規模で毎年増えて国家破綻の危機だ。

というか国民全員を、法的に縛り上げて公務員と正規雇用にしようとする労働組合が、現代版のラダイトだろう。
そう考えればもうすでに行われている。

エコロジーの思想が入って、それが「地球のために良いこと」と言われるともっと厄介だ。

「自給自足」「自然食になろう」「節約」と言われれば納得はできるが、「エコロジー」とはecology=生態学。地球上の人間をモルモットのように節約的に飼うということ、だ。

「自給自足」「節約」は自律的で大変素晴らしい。私も好きだ。
しかし、そのために機械をぶち壊す必要もないし、エコロジーである必要もない。

歴史の中での選択肢として、
一刻も早く市場経済・発展を止めるか(ネオラダイト)、
限界効用逓減しきるまで技術的特異点(シンギュラリティ)へ向かうのか、
2つのバランスを取るのか(バランシング・マッチング)、という議論がある。
言うまでもなく過去の経験則からシンギュラリティへ向かわざるをえない。

19世紀のイギリスの産業革命の時には「失業者が出るのは機械が進歩して、人が必要なくなったせいだ、だから機械が悪い。」と言うことで「ラダイト運動(機械打ち壊し運動)」が起こった。

しかし「労働塊の誤謬」で、需要も供給も否定するようなことをすれば、当然、逆に失業も給与減も増加してしまう。

なので「日本が不景気で仕事が無いのは手工業を機械化したからだ。原始時代のように戻せば大丈夫。」という意見には、
退っ引きならない貨幣経済からのリスク回避として自給自足でコモディティ商品にという意味合いなら共感できるが、反機械だと到底、共感できるものではない。

あるいは「自給自足は大切」だけなら自立的で生産的なので共感できるが、「機械を壊して自然の原始時代に戻ることが大切」は動機もそれで生まれる結果も、みんなが不幸になって破滅的なので全然共感できない。

「ケチ」と「節約」の違い
http://libpsy.com/stingy-and-economy/1048/

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記事を書いた人



時田憲一(ときたけんいち)こと時ニール(tokeyneale)です(・ω・)ノ
とある国立大学の教育学部/心理発達科学。心理学者・認定カウンセラー。動機付け理論・自己愛・対人関係が主な研究領域。数理統計データサイエンティスト。
ねこ好き・本好き・禅好き・PC好き。

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