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「根拠は?」と聞かれて答えたのに「根拠は?」と聞かれることがあります。

医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療従事者の実習中や職場で多いです。

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はっきり言います。

「根拠は?」と聞いておいて、何らかの答えをしても、もう一度「根拠は?」と詰める人は、

確実にディペート(討論)の経験のない素人です。

それが上司だったら尊敬する必要もないです。

「答えられなくなるまで他人を責め立てれば、自分の優位性が誇示できる」
と勘違いしている自分の虚勢に甘えた人です。

やっていることは小学生以下のいじめと同じです。


トートロジー

「根拠は?」と聞かれて答えたのに「根拠は?」と聞かれたら

 

「それはトートロジーです。」


と答えましょう。

トートロジーは「同義語反復」。
簡単に言えば「同じ意味の言葉を不用意に重ねる」こと。

古い古着、新しい新曲などです。

質問者が理想とする答えを先に持っていて「論点の先取り」をしている場合に起こりやすいです。

例えば、

先生「入浴の湯の温度は40~43℃が適当とされているのはなぜか?根拠は?」
生徒「40~43℃の温度が、温熱作用として皮膚や筋肉の血液循環を盛んにし、心機能を亢進させて全身の代謝を高めるためです。」(※「根拠から学ぶ基礎看護技術」編著 江口正信より抜粋)
先生「根拠は?」
生徒「?」

この場合、先生がトートロジーです。

答えられているのに、何の意味もなく不用意に同じ言葉を重ねています。

逆に、

先生「入浴の湯の温度は40~43℃が適当とされているのはなぜか?根拠は?」
生徒「40~43℃の温度が、温熱作用として皮膚や筋肉の血液循環を盛んにし、心機能を亢進させて全身の代謝を高めるためです。」
先生「根拠は?」
生徒「40~43℃の温度が、温熱作用として皮膚や筋肉の血液循環を盛んにし、心機能を亢進させて全身の代謝を高めるためです。」

これは生徒の方「も」トートロジーです。

ただ先にトートロジーをやっているのは先生です。

同じことを繰り返し続けるだけの循環論法になっています。

例えば、新興宗教で
「なぜ尊師に従うのですか?」
「尊師が言っているからです」
「尊師の教えをなぜ正しいと思うですか?」
「尊師が言っているからです」
という掛け合いも同じく「トートロジー」と呼ばれます。

覚えておくと不用意ないじめに頭を悩ますことはなくなります。

ストローマン論法

また、ストローマン論法と言って、相手の主張を故意に取り違えたり歪曲して出来た主張をさらに否定して、相手の主張を論破したことにしようとする論点すり替えによる詭弁があります。

彼・彼女らがよく使ってくるのはこれです。

これを本格的な議論(ディベート)の場でやったらマイナス点になります。

申し訳ないですが「ディベート経験のない頭の悪い人」が、相手を見下したい思いが先立ちすぎてこれをやってしまうことがあります。

話題がどんどん関係のない方向に広がっていき、相手は「勝った気」にはなれますが、

まるで要点を得ていないわけです。

統合失調症(分裂病)のように「まとまりのない話し方」がまさにこうなります。

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中井久夫・山口直彦「看護のための精神医学」より

IQ(知能指数)が低下してしまい、主観的な感情(動物的本能)が先行して客観的に考えられない状態。

精神病の傾向のある人だとよく起こります。

相手が「なぜ?」→「それは違う」→「なぜ?」→「それは違う」と、
質問攻め+全否定の粗探しのストローマン論法をハメようとしてきたときはどうすればいいか。

統合失調症への患者さんへの対応と同じです。

こちらは否定せず、あえて「~なんですね。」と相手の意見を肯定していって、本人に本人の主張のおかしさを気づかせることにあります。

決めつけずに「~を前提としているのですか」と確認をとってから話を進めるようします。