子宮復古不全とは、妊娠中に肥大した子宮筋細胞は産褥期を通じて元の大きさに戻らず回復過程が遅れた状態のこと。

【原因】

子宮復古不全の原因で最も多いのは、卵膜片の残留。
子宮筋腫合併、子宮後屈、多胎分娩、早産、非授乳婦、頻産婦などに起こりやすい。
子宮収縮を妨げる場合(卵膜・胎盤の残留や子宮筋腫など)、子宮筋が妊娠中に増大した場合(多胎妊娠,羊水過多など)がある。

【症状】
正常産褥日数に比例して子宮が大きく柔軟に触知され、子宮底が高くなり、子宮頸管の閉鎖も遅延する。
血性悪露が長く続いて量も減少にくい。
残留した胎盤片や卵膜片は自然に排出されることが多く大量出血することもある。悪露の停滞を放置すると感染を起こして産褥熱の原因にもなる。

症状の増悪に影響を与える因子には
1、膀胱・直腸の充満
2、悪露の停滞
3、極端な安静や早期離床
4、母乳授乳をしていないなど乳頭への刺激不足
5、早期の就労や不摂生などによる疲労
6、産褥感染母体に及ぼす影響