なぜ神経症・強迫性障害は非現実欲求になるのか

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私の父親はパーキンソン病だが、時間に厳格すぎる人である。

元々パーキンソン病には几帳面(悪く言えば神経質)な人が多い傾向がある。

アスペルガーとまではいかないにしても、一種の強迫性障害が昔から強い。

例えば、19:00になったら(時計の長針が12を指して、短針が7を指したら)

「テーブルの椅子に家族全員が座り、そこには温かなご飯があり、味噌汁がある。」

というイメージのスイッチが父の脳内に入る。

それに向けて動こうとするので家族全員が困る。

テーブルに晩飯が並んでいないと「うわーっ!」とパニックになる。

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実際に声を上げてパニックになるようなことはないが、

「おいご飯はどうした!ご飯!」

となる。

「19:00にはテーブルにご飯があって当たり前。家族全員が座っていて当たり前。」という強迫性である。

塾で子どもがいないと、妻の帰りが遅いと、条件が狂ってしまう。

そして19:00に自分の思い通りにご飯が並んでいなかったことに対して、子や妻に「やる気が足らないからだ」と(的外れな)説教が始まってしまう。

一人でやってくれるなら別にいいのだが、自分は何もしようとしないのである。

料理を作るのは誰か?ご飯を並べるのは誰か?

そういったことが抜けているのである。

お風呂に関しても同じである。

20:00になったら、お風呂に入っているというイメージのスイッチが入る。

食事が終わったらすぐに

「おい風呂はどうした!風呂!」

となる。

自分は風呂を入れることはしない。

「20:00にはお風呂に入っていて当たり前。」という強迫性である。

その通りに動かないと「それでは社会でやっていけない!怠けている!甘えている!」という決まり文句。

一体誰が、料理を用意して、お風呂を掃除して用意しているのか。

自己中心の世界でしか見れないというのはこういうことである。

「自分は時間通りに動く。そのための他人のことなんて知らん。」という強迫性である。

強迫性は神経症圏なので「べきの暴君」である。

つまり「~して当たり前」という「~すべき」というのを語尾に必ずつけている。

自分に対してもそのように「~すべき」と行動を強迫する。そしてそれを他人に対しても「~すべき」と欲求してしまうのである。

「~すべき」を繰り返すと、応用的にやれることが少なくなり、情報がどんどん狭められて限定されていくので、
「19:00とはご飯と味噌汁がテーブルに並んでいるべき」という、現実的にはありえないのことを他人に欲求してしまう。
神経症圏に特徴的な「非現実欲求」という。
欲求が当人の幼児期の万能感から来ているので「幼児的願望」とも呼ばれる。

詳細のイメージでゴールを作ることは結構だが、それが建設的なもので利他的なものあり、意味がないといけない。

ご飯や風呂を他人に欲求して毎日毎日イライライライラしてるのが、あまり父親の姿として情けないのである。

そんなことを繰り返すうちに父はパーキンソン病になった。

障がい者なって「世の中には自分の思い通りにならないこともある」「他人に助けられて生きている」ということを少なからずは理解してくれたようには思う。

ただ難病で要介護になる以前に、もっと早い段階で気付けたのではないだろうか。

家族や学校や職場で同じような人がいた場合、「他人に強迫的に欲求してくる人はあえて見捨てること」が大切である。

それがあなたの心理的健康のためであり、相手をそれ以上病気にさせないためでもある。

無理に相手の非現実欲求(幼児的願望)を満たそうとする必要はない。

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記事を書いた人



時田憲一(ときたけんいち)こと時ニール(tokeyneale)です(・ω・)ノ
とある国立大学の教育学部/心理発達科学。心理学者・認定カウンセラー。動機付け理論・自己愛・対人関係が主な研究領域。数理統計データサイエンティスト。
ねこ好き・本好き・禅好き・PC好き。

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