ケアの項目 胎児心音聴取方法
ケアの目的 徐脈・不整脈・頻脈の有無を判断。胎児機能不全(胎児ジストレス)の発見。
使用物品 掛け物、枕、聴診器、ストップウォッチ、ゼリー、テッシュ、聴診器(超音波ドップラー装置やトラウベ桿状聴診器)

実施方法・手順(事前学習)
【準備】
必要物品の確認(分娩監視装置の電源、記録用紙)
検査の説明をして同意。
排尿を促し、膀胱を空にするよう説明。

【手順】
①セミファーラー位になって頂く
②レオポルド触診法で胎児の胎位、胎向を確認
③胎児心音側定ドップラーを胎児の心臓上(最聴取部位)にゼリーを塗布してベルトで固定する。
④児心音が記録上に正しくでるよう調整して開始。児心音は適時観察し産婦に状況を伝える
⑤測定が終了したらベルトと装置をはずす。
⑥胎児心音ドップラー装着の際に塗布したゼリーをティッシュで拭き取る。

根拠・留意点(事前学習)
超音波ドップラー法によると妊娠10週以降になると聴取可能。妊娠20週頃になると恥骨結合真上で聴取できる。
●腹部の聴診
胎児の生死を知る上で最も大切。同時に臍帯雑音・胎動音・母胎子宮雑音・大動脈音などを聞くことができる。
胎児心音は平均140回/分(5秒ずつ3回数えて12・12・12と記述することもある)
児心音の位置:臍および上全腸骨棘
聴取部位は、胎児心音が最も明瞭に聞こえる部位。最良聴取部位は、胎児の子宮内での位置(胎位・胎向・胎勢)によって決まるので,聴診の前に触診をして確認。

仰臥位低血圧症候群に注意
※妊娠で大きくなった子宮により下大静脈が圧迫されて心臓への血液還流が減少し、心拍出量の減少と血圧の急激な低下をおこすこと。症状としては、吐き気、おくび、発汗、息切れ、顔面蒼白、呼吸困難など

母体壁に一定の圧でかかるようにする。強すぎたり弱すぎたりしない。

音量調整で必要以上に大きい音にしない

安楽な体位を勧める
分娩の進行により胎児ドップラーの位置は変化するので適時対応する
胎児の心音が下がり胎児仮死の徴候が出現した場合は落ち着いて対応をし、むやみに騒いで産婦を不安にさせない