【概要】
精巣は次第に下降し、鼠径管を通って陰嚢のなかに下降する。この精巣の下降が途中で止まったものが停留精巣(停留睾丸)。
新生児の3~4%。未熟児で生まれた子では30%みられる。

【原因】
精巣は胎児のうちに陰嚢の中に降りてくるが、降りてこないと停留精巣になる。

【症状】
陰嚢のなかに精巣を触れない時は停留精巣の可能性を疑う。

【検査と診断】
陰嚢のなかに精巣を触れない時は、鼠径部にあるのかどうかを確認する。
精巣がない病気(無精巣症)と区別するため、MRI検査や腹腔鏡を使っておなかのなかに精巣があることを確認する。
同じ目的でホルモン検査(精巣を刺激するホルモンを注射して男性ホルモンの分泌能力をみる)を行う場合もある。

【治療】
リラックスしている時に精巣が陰嚢内に触れるような場合には移動性精巣であり、必ずしも手術は必要ない。
リラックスしている時でも陰嚢が空であれば停留精巣で、手術が必要になる。放置しておくと成人になってからの癌化や不妊の原因になる。
手術の時期は、遅くとも2歳までに手術をする。
1歳までに75%の子ども(未熟児で生まれた子どもでは95%)で精巣が自然に下降するので、しばらくは経過観察する。